「四季草花草虫図屏風」(蝶・蜻蛉)鈴木其一「春秋草木図屏風」

俵屋宗達「双犬図」※作品画像はすべて部分、細見美術館蔵

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古典の日絵巻[第七巻:きものがたり]

市田 ひろみ

服飾評論家

服飾評論家、他、幅広くご活躍されている市田ひろみさんが、和の生活文化の古典ともいえる“きもの”の魅力について語る「きものがたり」。先生直筆の原稿から先生の語りが聞こえてきそうです。どうぞお楽しみください。

古典の日絵巻第七巻 きものがたり

ブッシュ元米大統領のローラ夫人(右)後ろは、市田ひろみ氏が揮毫した自作の詩(於:2008年洞爺湖G8サミット)

第一号 平成30年4月1日

サミットの思い出
服飾評論家 市田 ひろみ

「何が本職ですか?」と聞かれることがある。たしかに多くのジャンルの仕事をしているが、やっぱり日本文化の紹介というのが多い。
外務省や新聞社からお話を頂くと、私は主催する日本和装師会の大体4、50人のメンバーでブラジル修好百年、メキシコ日本人移民百年、EUジャパンフェストなど、主催団体の思いを演出してきた。
花嫁ショーであったり、十二単のショーであったり、日本の四季であったり、日本和装師会のメンバーは、充分、モデルをつとめてくれる。
こうして、私は、世界の107都市で、文化交流のショーをしている。勿論、日本国内でも『源氏物語』を語りながら、宮廷の礼装である十二単を語る。
2008年、源氏物語千年紀では洞爺湖サミットだった。
まず、たて1m50cm、横5mのパネルに自作の詩を書いた。日本の書道は、どこで実演しても人気がある。
ブッシュ元米大統領のローラ夫人が、書のコピーがほしいとおっしゃったので、60cmの15cmに書き直して、ホワイトハウスに送った。
世界のロイヤルコスチュームで、千年以上形の変らないロイヤルコスチュームを持っているのは日本だけ。
それも天皇家の式服として、現実に着用されている。
サミットでは、当時のロシアのメドベージェフ大統領の奥様も初めて見た「十二枚すべて絹?」とびっくりされていた。
きものは、もはや「ビューティフル」をこえた。
「レスペクト」だ。
「守りたい」「伝えたい」という思いが、この文化を伝えてゆくのだ。

※日本和装師会…市田ひろみさんが会長を務める会です。京都を中心に各教室に通う人達と和の文化を楽しみかつ学んでいます。 http://nihonwasoushikai.g.dgdg.jp/home.htm