「四季草花草虫図屏風」(蝶・蜻蛉)鈴木其一「春秋草木図屏風」

俵屋宗達「双犬図」※作品画像はすべて部分、細見美術館蔵

朗読コンテストRecitation

古典の日朗読コンテストについて

古典朗読のすすめ

第14回「古典の日」朗読コンテスト(2022年)

 

古典の日に関する法律制定10周年記念・文化庁京都移転記念
古典の日フォーラム2022-Ⅱ ~古典の世界を読む・和歌~
第14回古典の日朗読コンテスト公開最終審査会と表彰式が開催されました


 今年は「古典の日に関する法律」が公布・施行され、10年を迎える記念事業として2日間にわたり古典の日フォーラムを行いました。フォーラム2日目にあたる11月1日「古典の日」に、第14回古典の日朗読コンテスト最終審査会と表彰式を開催いたしました。

 今回は、【一般部門】253名、【中学・高校生部門】320名 合計573名のご応募があり、一次・二次のテープ審査を通過した15名(中学生3名・高校生3名・一般9名)が、会場となる京都コンサートホールで、観衆の前で課題作品を朗読しました。
<応募状況詳細>

一般部門 中学・高校生部門 合計
中学生 高校生
古今和歌集 60名 53名 60名 173名
平家物語 104名 36名 26名 166名
徒然草 89名 86名 59名 234名
合計 253名 175名 145名 573名

 

※画像をクリックすると大きい画像が表示されます。

■会場風景

 当日は雨が降る中でした。全国から選ばれた出場者15名は、まずリハーサル・そして朗読順を決めるクジ、当日説明をうけます。その後休憩となりますが、昼食を取られる方、発声練習をされる方と、本番まで皆様自由に過ごされます。いつもですが出場者の皆様は、すぐに交流を深められます。皆様が交流してもらえることは、コンテスト開催の醍醐味とも言えるので、コンテストを開催して良かったと思えることのひとつです。

 

■テーマ曲「古典の日燦讃」と「古典の日宣言」

 まずは、今年度大谷祥子さんに作曲いただきました、テーマ曲「古典の日燦讃(さんさん)」から始まりました。曲の中に「古典の日宣言」が読み上げられ、今までとは違う古典の日宣言になりました。
 演奏は、大谷祥子と六条院楽坊の皆様。そして、古典の日宣言は、昨年「第14回古典の日朗読コンテスト・一般部門の大賞」を受賞された、藤本睦美さんでした。力強く勢いのある演奏から始まり、そして、堂々と凜とした古典の日宣言が、会場に響き渡りました。これからの古典の日の活動が、この曲のように活き活きと力強く登っていけたらと思いました。

<古典の日燦讃>
 作曲 大谷 祥子
 演奏 ・大谷 祥子(箏) ・饗庭 凱山(尺八) ・祝丸(鳴り物)
    ・藤林 由里(ピアノ) ・平山 美萌(ヴァイオリン)

 

■主催者代表挨拶・来賓挨拶

 古典の日推進委員会会長 村田純一は挨拶の中で、朗読コンテストが13年の歴史を刻んでいることが感慨深く、今後も声に出して古典を味わう朗読を、特に若い人に広めていきたいと述べました。続いて文化庁 地域文化創生本部事務局長 髙田行紀様から来賓のご挨拶をいただきました。コロナ禍で思うように練習がしにくい中ですが、今までの成果を存分に発揮してほしいと、激励のお言葉をいただきました。また文化庁京都移転を機に、京都から日本全国・世界に文化芸術を発信していきたいと述べられました。

古典の日推進委員会会長
村田 純一
文化庁 地域文化創生本部事務局長
髙田 行紀

 

■最終審査会出場者の朗読

 いよいよ朗読です。順番は午前中に中学生・高校生・一般と別れてクジ引きをして決まります。今年は中学・高校生部門では、6作品中4作品が『徒然草』。一般は9作品中6作品が『平家物語』でした。選出作品に偏りが出てしまいましたが、同じ作品でも朗読する方によって異なる朗読を味わっていただけたのではないでしょうか。

<中学生>

茨目 真結
(東京都・町田市立南中学校3年生)
作品:『平家物語』
中西 美友
(愛知県・南山中学校女子部3年生)
作品:『徒然草』
亀井 優奈
(大阪府・桃山学院中学校2年生)
作品:『徒然草』

<高校生>

長谷川 愛海
(東京都・東京都立小松川高等学校3年生)
作品:『古今和歌集』
山口 華奈
(愛知県・南山高等校女子部2年生)
作品:『徒然草』
光宗 太乙愛
(愛媛県・済美平成中等教育学校1年生)
作品:『徒然草』

<一般>

善積 まゆみ(神奈川県)
作品:『平家物語』
木村 直子(大阪府)
作品:『徒然草』
田岡 たか子(神奈川県)
作品:『平家物語』
沖田 佳美(大阪府)
作品:『古今和歌集』
安田 惠江(宮崎県)
作品:『徒然草』
藤田 紀子(滋賀県)
作品:『平家物語』
内山 あゆみ(大阪府)
作品:『平家物語』
島田 和子(東京都)
作品:『平家物語』
安永 貴駒(大阪府)
作品:『平家物語』

■講演「連想の帝国—日本文学における連想の働き―」

 最終審査15名の朗読が終わり休憩を挟んだ後は、ピーター・J・マクミランさんによる講演でした。和歌が日本文化に与えた影響をお話くださいました。
 日本語の特徴として、多くの同音異義語(例えば 雲・蜘蛛 牡蠣・柿)があります。同音異義語に基づいて言葉の遊びを行っているのが和歌である。和歌には「連想」が不可欠である。竜田川と言えば紅葉。吉野は雪のちに桜。須磨は物寂しい等、現代の人でも、日本人ならこのような連想をする。と、会場のお客様に質問等をしながら、楽しくご講演をしていただきました。また、百人一首を英訳・制作されたご紹介がありました。世界中の方が、楽しみながら日本文化に触れられるように、英訳や絵柄・カードのサイズ等が工夫されており、将来、百人一首がオリンピック種目になることを願っていると話されていました。
 最後の締めくくりに、和歌の大切な役目の一つに、「ことほぐ(言葉で祝う)」があります。客席の皆様をことほぐため、ピーターさんの好きな歌 柿本人麻呂の「天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ」を読み上げていただき、講演が終了いたしました。

翻訳家・版画家・詩人
ピーター・J・マクミラン

 

■審査発表・表彰式

 毎年審査は難しく、点数は僅差です。多くの応募者の中から選出された方々なので、皆様に賞を授与したいところですが、しかし、コンテストなので順番に賞を決めていかなくてはいけません。それが辛くもあり、賞を取られた方には、日頃の成果が評価されたことを喜んでいただき、賞が得られなかった方は、最終審査まで残ったことを励みに、また挑戦していただきたいと思っております。

<第14回古典の日朗読コンテストの受賞者と音源>

大賞:【一般部門】
島田 和子(東京都)
作品:『平家物語』
大賞:【中学・高校生部門】
光宗 太乙愛(愛媛県・済美平成中等教育学校1年生)
作品:『徒然草』
特別賞:文部科学大臣賞
安永 貴駒(大阪府)
作品:『平家物語』
特別賞:京都府知事賞
木村 直子(大阪府)
作品:『徒然草』
特別賞:京都市長賞
藤田 紀子(滋賀県)
作品:『平家物語』
特別賞:宇治市長賞
内山 あゆみ(大阪府)
作品:『平家物語』
特別賞:京都商工会議所会頭賞
亀井 優奈(大阪府・桃山学院中学校2年生)
作品:『徒然草』
特別賞:京都府高等学校文化連盟会長賞
長谷川 愛海(東京都・東京都立小松川高等学校3年生)
作品:『古今和歌集』
特別賞:古典の日推進委員会中学生奨励賞
茨目 真結(東京都・町田市立南中学校3年生)
作品:『平家物語』

 

■審査講評

 5人の審査委員の先生方から講評をいただきました。毎回この時間を楽しみにされている方も多いと思います。とても簡単にですが、講評を要約いたしました。
 端田先生 : 朗読と言うものは、声が大切。皆さん素晴らしい声をお持ちである。硬い声よりも、できるだけ自分が持っている低音部分をしっかり出して、柔らかく豊かに表現して欲しい。
 中村先生 : 日本語の美しさが、世界中で評判になっている。その秘密は、すべてに音が響く母音が付いていること。だから和歌や短歌の文化があり、このような言語は他にはない。皆さん自信を持って日本語を使ってください。
 井上先生 : 朗読は聞き手あっての朗読です。実は客席の皆さんが主役です。今後もコンテストにご参加いただき、沢山のすばらしい朗読を聞いていただきたいです。
  辻先生 : 読めば読むほど、分からなかったことが分かる。さらに読み込むと感動が感じられます。さらに読み込むと、初めは苦手だった文章も大好きになる。繰り返して読むことが大切です。
 菊川先生 : 『平家物語』を朗読された皆さんの、セリフと地の文の掛け合いがすばらしく、良い経験をさせてもらった。これからも皆さん頑張って欲しい。

審査委員 端田 宏三 審査委員 中村 宏
審査委員 井上 恭子 審査委員 辻 ひろ子
審査委員長 菊川 德之助

 

■最終審査会出場者 集合写真

 

■総合司会

 
 これからも、古典の日朗読コンテストは、継続していきたいと考えております。様々な作品を課題に取り上げますので、皆様、是非挑戦をしてください。
 来年もご応募を楽しみにお待ちしております。

 

古典の日フォーラム2022-Ⅱのご案内(PDF形式)

 

第14回古典の日朗読コンテスト 課題作品・審査委員


■課題作品

【一般部門】【中学・高校生部門】共通 ①~③のいずれか1作品を選択
『岩波文庫』の以下の指定範囲を朗読のこと

『古今和歌集』仮名序
 範囲:和歌(やまとうた)は、人の心を種(たね)として、~手習ふ人のはじめにもしける。(P.9 L.2~P11 L.8)
 ※並行(割書)の全箇所を読まない。(例:「天の浮橋の~言へる歌なり。」は割愛する。)

『平家物語』巻第七 「忠教都落(ただのりのみやこおち)」 *両範囲を朗読
 範囲:薩摩守(さつまのかみ)忠教(ただのり)は、~西をさいてぞあゆませ給ふ。(P.94 L.5~P96 L.13)
 範囲:さゞなみや~山ざくらかな(P.98 L.5)

『徒然草』第百三十七段
 範囲:花は盛(さか)りに、~いとたのもしうをかしけれ。(P.231 L.3~P232 L.7)

■審査委員

審査委員長 菊川 德之助 (演出家・元近畿大学舞台芸術教授)
審査委員  端田 宏三 (大阪放送劇団俳優・関西朗読家クラブ代表)
      中村 宏 (元NHKアナウンサー・「NHKラジオ深夜便」第2金曜日を担当)
      井上 恭子 (元日本海テレビアナウンサー・朗読、話し方講座講師)
      辻  ひろ子(元KBS京都アナウンサー・朗読講座講師)
      星野 祐美子 (フリーアナウンサー)

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