古典の日絵巻Picture scroll
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古典の日絵巻[第七巻:きものがたり]
第七号 平成30年10月1日
家族
服飾評論家 市田 ひろみ
是枝裕和監督が フランスの大女優 カトリーヌ・ドヌーブと組んで 作品を作るという。
是枝さんは、「万引き家族」の制作中からあたためていた作品で やはり家族をテーマにしたものだ。
実は 私は 是枝作品に 出演したことがある。
宮本輝の作品「幻の光」だ。
江角マキ子さんのデビュー作で 夫を失った江角さんに 再婚をすすめる近所の世話やきの おばさん の役だった。
原作者の宮本輝さんは 市田さんに ぴったりだったと言ってくれた。
大阪の下町が舞台で、 美しい作品だった。この作品が ベネチア国際映画祭に 出品されることになり あれよ あれよというまに私のベネチア行きが決った。
一九九五年 二十三年も 前のことだ。
初監督ながら この作品は コンペティション部門の出品作に えらばれた。
その頃 私は緑茶のCMで 大忙がし だったが 松竹梅もようの 訪問着を 御誂えで作って ベネチア入りした。
その後 「誰も知らない」「そして父になる」など 家族の ありようを テーマにしたものが多い。
そして 「万引き家族」で カンヌ国際映画祭で、パルムドール受賞となり 文字通り 日本を代表する 監督となった。
是枝さんの映画作家としての テーマが家族で 考えさせられるテーマだ。
社会の中の一番小さな単位が 家族だと思っているし 最大の味方は 家族と 思っている私は、家族の絆を 信じたいが 是枝さんは さまざまな運命を見事に つむいでゆく。
現代女性も 仕事を 持つ人 が多くなって 親の束縛 も ゆるやかになった。
私の時代は 門限というものがあって、女の子の 夜遊びは ゆるされなかった。
それと 男子から 高価な贈り物も もらってはいけないと言われて育った。
さて今は ブランドもののバッグを クリスマスやバースデイに 送ってもらう人もあるようだが 親は 娘の ライフスタイルもわからないことが多い。
なんて書いていると ちゃんと 自立してる女性がいること忘れないでと いわれそう。