「四季草花草虫図屏風」(蝶・蜻蛉)鈴木其一「春秋草木図屏風」

俵屋宗達「双犬図」※作品画像はすべて部分、細見美術館蔵

街かど古典カフェTown corner Koten Cafe

講師を囲み、趣のある空間で、
古典をより深く、より掘り下げて学ぶ
贅沢な講座です。
パリの街かどで見かけるカフェのように
親しく議論を進めましょう。

「街かど古典カフェ」2019年 II

 

へたなうたよみ きのつらゆき
-古今集に抱かれた日本人-連続講座〈4回〉

正岡子規から「貫之は下手な歌よみにて『古今集』はくだらぬ集」と全否定された、紀貫之。ほんとうに「下手な歌よみ」なのでしょうか。もし、貫之がいなかったとしたら・・・。王朝文学の開拓者であり、ひらがなの申し子であった紀貫之について、千年前に詠まれた和歌とともに読みと連続講座。

【1. 日時】
令和元年9月4日、11日、18日、25日 ※いずれも水曜日

14時~15時30分

【2. 会場】
虎屋 京都ギャラリー(虎屋菓寮 京都一条店横)

京都市上京区一条通烏丸西入広橋殿町400

【3. 定員】
30名

【4. 受講料】
8,000円(4回通し・お茶菓子付)

【5. 講座内容】

第1回 (9月 4日)「匠のわざ―紀貫之は下手な歌詠みか」

第2回 (9月11日)「ひらがなの申し子―やまとことばの魅力」

第3回 (9月18日)「女もしてみむとてするなり―『土佐日記』の驚くべき前衛」

第4回 (9月25日)「日本の美意識をつくる―見立てと取り合わせ―」

書き手が男性に限られ、漢文で記録するものだった日記(家記)を、貫之は女装という倒錯的な方法で、「ひらがな」なら女性でも日記が書けるよ、と女手による文章表現を勧めたのです。驚くべき前衛というべきでしょう。才気煥発な女性たちを目覚めさせ、『蜻蛉日記』そして『枕草子』『源氏物語』の時代を導いたのも、貫之でした。

【6. 講師プロフィール】

■小林 一彦(こばやし かずひこ)

京都産業大学文化学部教授。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院後期博士課程単位取得。和歌文学会常任委員、中世文学会委員、日本文学風土学会常任理事、全国大学国語国文学会委員などを歴任。教育・研究・執筆活動のかたわら、古典の魅力をわかりやすく伝える講演活動にも力を入れており、幅広い年代を対象に古典の語り部として各地を歩く。著書には『鴨長明と寂蓮』(笠間書院)、『続拾遺和歌集』(明治書院)、『鴨長明方丈記』(「100分de名著」ブックス、NHK出版)などがある。京都新聞に「古典に親しむ-新古今和歌集の森を歩く」を毎週月曜連載中。

「街かど古典カフェ」Ⅱちらし(PDF形式)