「四季草花草虫図屏風」(蝶・蜻蛉)鈴木其一「春秋草木図屏風」

俵屋宗達「双犬図」※作品画像はすべて部分、細見美術館蔵

古典の日絵巻Picture scroll

「古典の日」からとっておきの情報や
こぼれ話などをお届けします。

古典の日絵巻 第十巻:京の美を担う次世代の作家たち

古典の日絵巻「第十巻:京の美を担う次世代の作家たち」をお届けいたします。 今年度は12回に亘り、それぞれのジャンルで活躍される作家の皆さんから、ものづくりやお仕事にかける想いを綴っていただきます。伝統と先端の間に立って挑戦し、誕生するものとは一体どのようなものでしょうか。作家の皆さんの手によって誕生するまでの知っているようで、知られなかった世界をお話いただきます。

第9回

種田 真紀(おいだ まき) 絵付師

1978年 岐阜に生まれる
2008年 京都伝統工芸大学校卒業
    山本芳岳氏に師事、主に上絵全般の技法を習う
2013年 独立
2015年 高島屋京都店にて個展(2017年、2020年)
2016年 高島屋岐阜店にて個展(2018年、2021年)
2019年 延寿堂ギャラリーソフォラにて個展(2021年)
2021年 高島屋横浜店にて個展

他百貨店、ギャラリーにて企画展に参加
現在、京都市東山区の共同工房にて制作

 私が赤絵細描(あかえさいびょう)という上絵技法で絵付けをしたいと思ったきっかけは学校の授業の課題でインターネット検索をしていた時に見た赤絵細描の作品に一目惚れしたことでした。もともと卒業後は日常食器を制作したいなあと考えていましたが赤絵細描の作品を見て以来、この技術を私も習得したいと思うようになりました。
 それから赤絵細描の作品を制作している工房を調べ、工房見学をさせてもらい、改めて技術のすごさを知ってますますやりたくなりました。幸運にも一番初めに伺った山本芳岳先生の所に弟子入りできることになり、5年間赤絵細描などの上絵技法を教えて頂きました。


日常で気軽に使って貰えるよう赤と余白の白のバランスを大切にしています。


素地に墨で割をとってフリーハンドで描いていきます。


上部写真の完成した物。

 独立後、はじめは酒器など中心に作っていましたがもともと日常で使って貰える器を制作したいと強く思うようになり、食器を中心に制作したいと考えるようになりました。しかし、手間がかかる為どうしても食器としてはわり高に感じる価格になってしまうこともあり、手にとる方も限られてしまうなあと感じました。沢山の方に手にとって貰える日常使いの器を制作したいという思いがあり、まずどんな器が求められているのか、他の方の価格やテイストなどどんな物が流通しているのか詳しく調べました。その工程を経て、絵変わりの豆豆皿を制作してみようと思いました。まず絵柄は5種から始めました。
 あれから2年半…。300枚を越える豆豆皿が旅立っていきました。今後も絵柄は増えていく予定です。豆豆皿をきっかけに他の器も見て貰える機会が増えたように思います。はじめに思っていた日常で使って貰える器を制作したいという思いは叶えられつつあると思います。今後は食器も制作しつつ描き込んだ1点物の制作にも力を注ぎたいと思っております。


2年半かけて定番になった豆豆皿


※画像をクリックすると大きい画像が表示されます。

「私のこの一作」

赤絵細描小紋茶壺2021年作

以前よりお茶の道具に絵付けをしたくて、素地を眺めながらデザインを考えてあたためていました。ようやく形にあったデザインの絵付けができました。菱形でつなぎ、七宝文、麻の葉文で形どり文様化しました。