「四季草花草虫図屏風」(蝶・蜻蛉)鈴木其一「春秋草木図屏風」

俵屋宗達「双犬図」※作品画像はすべて部分、細見美術館蔵

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古典の日絵巻[制定記念臨時増刊号]

古典の日絵巻[制定記念臨時増刊号]

「古典の日に関する法律」が可決・成立いたしました。

古典の日推進委員会が要望してきた「古典の日」の法制化が、8月29日(水)、国会の全会一致により、「古典の日に関する法律」として可決・成立いたしました。
この法律成立にあたり、当委員会会長・村田純一より御礼のご挨拶を申し上げます。
また、古典の日推進よびかけ人代表の千玄室さん(裏千家前家元)、同じくよびかけ人の瀬戸内寂聴さん(作家)よりお祝いのメッセージをいただいておりますので、どうぞご覧ください。
最後に、法制化のため、ご尽力いただきました皆様、また賛同署名をお寄せくださった全国の皆様に心から御礼申し上げます。
併せて、今後もさらなる「古典の日」推進のため活動してまいりますので、引き続きのご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

古典の日推進委員会会長 村田純一

このたび、「古典の日に関する法律」が、超党派の多数の議員の方々のお力により、議員立法として制定されましたことは、「古典の日」推進活動を進めてまいりました「古典の日推進委員会」会長として喜びに堪えません。
私ども委員会の前身、源氏物語千年紀委員会が、全国に向かって、「11月1日は古典の日」と宣言をいたしましたのが、源氏物語千年紀に当たる平成20年(2008年)11月1日でした。
(※源氏物語の成立が「紫式部日記」によって、文献上確認できる最も古い日付が寛弘五年(1008年)11月1日)
以来、源氏物語に代表される我が国古典文学を始め、さまざまの分野における「古典」の素晴らしさと、古典に触れ、親しむことの大切さを訴えて、全国に率先しての「古典の日推進フォーラム」や「朗読コンテスト」や「古典カフェ」などをモデル事業として3年間続けてまいりました。
同時に、「古典の日」を、法律によって定めていただき、私どもの活動が全国的に普及される強い根拠となるよう、また、国や地方公共団体には、特に学校教育について古典を活かした授業などに重点的に取り組んでいただくよう、昨年秋から、国会議員の先生方に、委員会として「法制化」の要望をしてまいりました。次の時代を担う若い人たちの育成に、さまざまな分野の古典に触れ、学ぶことは大変に有益であり、そのためには法律が必要と考えたからです。
激動する世界の中にあって、日本人の精神基盤や文化の継承などに大きな揺らぎが生じ、国際社会における我が国の地位が低下しているとの指摘もございます。時代の要請としても、私どもが「古典」に親しみ、学ぶことの重要性は、益々高まっているものと考えます。
私ども委員会としては、法律の趣旨を体し、引き続き「古典の日」の活動に率先して取り組んでまいりたいと存じますが、折角、立派な法律ができましたので、今後は、国や全国の自治体におかれても、「古典」を活かした様々な取り組みを是非お願いしたいと存じます。
特に学校教育の場において、国語はもとより、音楽、美術、書道などの芸術系の学科、さらに人文科学・社会科学や自然科学の幅広い学術分野について、歴史が残してくれた価値の結晶である、さまざまな古典作品、名著を取り上げていただき、若い世代の人たちが、将来に向かって、豊かで生き生きした生活と社会を築いていくための確かな精神的基盤や芸術的感性をそこからくみ取っていただくこととなりましたら、これに勝る喜びはありません。
ここに改めまして、古典の日の法制化に多大のご尽力をいただいた国会議員の先生方と、私ども委員会を長く精神的に支えていただいた「よびかけ人」をはじめとする関係者の皆様、心のこもったご署名をお寄せ頂いた全国11万人の支援者の皆様方に、深く感謝と敬意を表します。
特に、この間、混迷を極めている政治状況の中で、私ども「古典の日」推進の理念を、正当で切実なものと受け止め、会派・政党を超えて、迅速な法制化の実現に格別のご高配をいただいた国会議員の方々のご見識に敬意を表しますとともに、我が国の政治の今後に一筋の光明、希望を見たような気がいたします。
ありがとうございました。

千玄室さん(裏千家前家元) 古典の日推進よびかけ人代表

世界文字遺産ともいうべき『源氏物語』が書かれて千年が経過したのを記念し、『源氏物語千年紀』が開催されたのは2008年であった。この年は多くの盛り上がりをみせたが、数年経った今、国民の意識は低いように見受けられる。しかし、千年以上経過した文学を大事に守り続けている国は、世界広しといえどもそれほど多いわけではない。
人間の精神の表れとして表現される哲学や宗教、そして文学の古典を子々孫々守っていくのは、国民の役目であり、政治・経済・外交とは違った人間同士の心の繋がりとして重要なことである。
今ここに『古典の日』が制定され、日本と日本人の心を世界に伝えていくことになるわけだが、古典というのは、平安・鎌倉時代だけをいうのではなく、人間の生きてきた軌跡として、近代の戦争文学でさえも古典として顕彰すべきではなかろうか。
各国の文学が他の国語に翻訳され、多くの方がそれらの国の歴史や生活風俗を知ることは、世界共通の願いであると思う。

瀬戸内寂聴さん(作家) 古典の日推進よびかけ人
明るい未来への希望と自覚をこめて

その国に誇るべき古典があるということは、その国の成立の歴史の深さと、国民の文化度の高さを象徴するものである。
古典とは、文学、音楽、美術、演劇、伝統芸能、演芸等、その国に古来から伝っている文化的遺産を示す、すべてである。
幸い日本には、古来から伝った多くの文化的遺産が、あらゆる文化の面で香り高い華を咲かせている。国民は知らず知らずのうちに古典の香気を身につけ、世界に誇る高尚な人格を形成している。
敗戦後、武器を捨ててしまった日本が、世界の国々と対等につきあえるのは、日本独特の秀れた古典の力でしかない。今、法制的に古典の日が法制化され、国民のすべてが改めて日本の古典の魅力に目覚めることが出来るのは、明るい未来への希望と自覚を目覚めさせてくれる有難い出来事である。

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