「四季草花草虫図屏風」(蝶・蜻蛉)鈴木其一「春秋草木図屏風」

俵屋宗達「双犬図」※作品画像はすべて部分、細見美術館蔵

文化基金賞
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第5回古典の日文化基金賞授賞式

 

第5回「古典の日文化基金賞」授賞式


 「古典の日文化基金賞」は、日本の古典文化の研究・普及・啓発活動に大きく貢献した方々を顕彰することを通じ、古典の日の推進に寄与することを目的に創設されました。国内外からの自薦及び他薦による応募者の中から、専門家により候補者が絞り込まれ、選考委員会でのより広い見地からの審査を経て、顕彰委員会において受賞者を決定しました。
 今年度も[ 文学・思想 ][ 伝統芸能・音楽 ][ 美術・生活文化 ]の3つの分野と、次世代の日本文化を担う若者達の古典文化活動を励まし顕彰する[古典の日文化基金未来賞]を贈ります。

~  受  賞  者  ~

【 文学・思想 】

◆山本 淳子

現代に平安の息吹がよみがえる
大学内にとどまらず市中で身近に紫式部や清少納言が私たちに語りかけてくる
ぶれない学者魂にエール!

 『源氏物語の時代』でサントリー学芸賞、『平安人の心で「源氏物語」を読む』で古代歴史文化賞優秀作品賞を受賞。文学作品や歴史資料から、平安時代の社会と人のあり方を考え、その中を生きた人たちの思いを掘り起こすことを目指す平安文学研究者。はるか昔のみやびな京都の情景に想像を巡らせ、研究や教育、普及活動を進める。令和6年大河ドラマ「光る君へ」が放映された後も、特に平安文学についてのわかりやすく中味の濃い講演は人気を博している。
受賞を受けて
 思いがけない受賞の一報をいただいたのは、折しも京都国立博物館で開催中の「日本、美のるつぼ」展で古典美を堪能した直後でした。選考委員の皆様、支えて下さった皆様に、心より御礼申し上げます。研究を深めるほど、古典作品や史料の行間からは千年前の人々の息遣いが聞こえてきます。切れば血も出る、涙も出る古典の世界を、できるだけ多くの方々に知っていただきたいと、活動を進めて参りました。その時、いつも胸には「古典の日宣言」から生まれた合言葉がありました。「古典をいだき、古典に抱かれて」。揺れ動く世界の中にあるからこそ、古典という確かな杖を支えに、これからもどこまでも参ります。

 

【 伝統芸能・音楽 】

◆木ノ下 裕一

現代は古典芸能にとって生きづらい時代
現代と古典で描かれていることはどうしても距離があり
その距離を埋めていくことにクリエイティブな作業がある

 2006年、歌舞伎の演目を現代に再創造するために旗揚げした「木ノ下歌舞伎」を主宰。木ノ下自身が演目の研究を深めて上演台本を作る補綴を担い、監修し、さまざまな演出家や役者と組んで全国各地で上演。古典芸能の魅力を再確認、発信し、歌舞伎を通して現代演劇やダンスの世界で活躍する演出家や俳優に新しい表現世界の道を拓くことで、現代において古典を上演することの意味を問い続ける演劇活動は、舞台芸術の魅力と古典芸能の可能性を教えてくれる。
受賞を受けて
 この度は身に余る賞を賜りまして、誠にありがとうございます。と同時に、本当に私でよいのか……と正直、悩みました。
 古典は膨大なアーカイブです。先人たちが何を考え、何を楽しみ、いつ泣いて、どう生きて、どう死んでいったかがぎっしり詰まっています。
 とりわけ庶民の芸能であった歌舞伎は、噓偽りないナマの感覚にあふれています。それらを現代演劇という箱に移し替えることで、よりリアルによみがえらせたい。たくさんの人とシェアしたいと思い活動してきました。
 舞台は集団制作ですから、これまでたくさんの方と作品を作ってきました。素晴らしい仲間たちを代表して、ひとまず私が受賞させていただくのだ、という気持ちで謹んでお受けすることに決めました。
 これからも、弛まず、昔の人と現代人が対話するような作品を作っていきたいです。

 

【 美術・生活文化 】

◆中田 昭

鴨川の水、東山の白くなりゆく山ぎわ
京都の四季のすべてが
今も源氏物語の世界と連綿とつながることに気付いた

 写真家活動の中で、約30年にわたり『源氏物語』をテーマに、歴史、文学、有職故実の研究をしながら撮影を続け、書籍などへの写真の提供や写真展開催を通した古典文化の普及と啓発活動を行う。季節の移ろいの中で時空を超えて見せる表情を物語に重ねた臨場感あふれる写真を撮り続け、日本のみならず世界への発信も行い、その継承と普及に努めている。
受賞を受けて
 この度は栄えある「古典の日文化基金賞」を授与いただき、厚くお礼申し上げます。『源氏物語』をテーマに、いにしえの世界を求めて約30年間撮影を続けてきましたが、その間2008年には「源氏物語千年紀と古典の日」の制定、昨年はTVドラマ「光る君へ」の放映などで物語に対する関心がいっそう高まりました。こんな機会に、身近な存在として古典が親しまれるよう写真を通じてさらに発信してゆきたいと思います。朧谷壽先生をはじめ研究者の方々、撮影の許可をいただきました皆様にお礼申しあげますとともに、彼岸の紫式部さんに報告させて頂きたく存じます。

 

【 未来賞 】

◆京都光華中学校/高等学校〔伝統文化教育〕

~ホンモノの日本文化をつなぐ~
私たちは今も伝統の息づくまち 京都に学ぶ幸せをかみしめ
誇りをもって未来と世界に向けて発信します

 「伝統文化教育」を特色とし、中高ともに必修授業として履修。「和歌・礼法・書道・邦楽・茶道・華道・日舞・着付け」を3年間もしくは6年間かけてそれぞれの特徴や歴史などを踏まえた実践的な学びを経験する。単発的な学びでは成しえない、本質的な学びを一流の講師が指導・監修。
 生徒一人ひとりの精神的な豊かさを育むとともに、日本が誇る伝統文化への興味・関心を養い、生涯学習として主体的に学び、継承に関わっていく人材を育てることに貢献している。
受賞を受けて
 このたびは、「古典の日文化基金未来賞」という大変名誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。この受賞は、伝統文化を正課の授業科目として設置して以来、熱心にご指導くださいました各講座の先生方のおかげです。また、授業や部活動等を通して日本の文化を学び、発信してくれた生徒たちの活動が「京都光華の伝統文化」を支えてくれており,今回受賞という形で実を結んだことを嬉しく思います。
 本校の伝統文化教育に関わってくださるすべての皆様に、この場をお借りして深く御礼申し上げます。本校は、今後も生徒たちとともに日々の授業を基軸として日本文化を身近に学び、理解と継承に努めたいと考えております。

 

◆能勢人形浄瑠璃鹿角座

わたしたちの郷土の誇り
200年の伝統の上に立つ今一番新しい人形浄瑠璃
見に来てね!!

 能勢町で200年以上続く郷土芸能の素浄瑠璃をベースに、1998年、新たに人形と囃子を加えた人形浄瑠璃一座として誕生。人形首、人形衣裳、舞台美術は全て能勢オリジナル。全国からも注目される一座。次世代座員へ継承に努め、こども達は年間を通して行われるワークショップを受けながら誇りをもって活動を展開している。
受賞を受けて
 このたびは「古典の日文化基金未来賞」を賜り、誠に光栄に存じます。能勢人形浄瑠璃鹿角座座員として活動するこども達にとって、伝統を学び表現することの喜びや責任をあらためて感じる貴重な受賞となりました。このような素晴らしい賞をいただけたのも当初より長きにわたり関わっていただいている人形浄瑠璃文楽座の人間国宝桐竹勘十郎師匠をはじめとする歴々の技芸員の方々のご指導の賜物と感謝申し上げます。また、オープン当初より30年にわたる淨るりシアターのプロデュースのお陰もあり、今日を迎えることができました。
 この受賞を誇りに、初心を忘れることなくこれからもより一層郷土芸能の普及に精進してまいる所存でございます。ありがとうございました。

 

◆ひよこの会童謡合唱団

原石のままの声を大切に
ひよこから若鳥へそして親鳥となって
次のひよこへ伝えていきます

 伝統的な児童文化「童謡」を継承し、幼児、児童の総合的音楽教育を行っており、童謡を通して団員同士が理解しあい心豊かな人間性を育むことをめざしている。団員は3歳から小学6年生で、卒団生と保護者、ボランティアの講師が活動を支えている。童謡こどもの歌コンクール全国グランプリ大会にも出場し優秀な成績をおさめている。
受賞を受けて
 長年にわたり、わらべうたや唱歌、童謡を歌い続けてきたことが、この度の受賞に繋がりたいへん光栄に存じます。原石のままの子どもの声や感性は、成長に伴い変化していきます。しかし、これらの歌には大人になっても瞬時に自己の原点に立ち返ることができる世界観があります。急速に発展し続ける現代社会にあっても、古くからある日本の美しいことばや旋律、子どもの感性、そして日本の原風景は尊いものです。これらを歌声にして、多くの人たちと遊び、心を通わせながら、次世代へつなげていけるよう、さらに精進していきたいと思います。

 

~ 観 覧 募 集 ~

1:日 時
  令和7年9月3日(水)13時~15時55分(開場12時)

2:会 場
  京都コンサートホールアンサンブルホールムラタ(京都市左京区下鴨半木町1-26)

3:定 員
  500名(事前申込制・座席指定・応募多数の場合は抽選)

4:入場料
  無料

5:内 容
 ◆テーマ曲「古典の日燦讃」と「古典の日宣言」
  演奏:大谷祥子と六条山楽坊
  宣言:西牟田悠里衣(浪速高等学校2年生)
     第16回古典の日朗読コンテスト[京都府高等学校文化連盟会長賞]受賞
 ◆授賞式
 ◆~佳人が魅せる「古典かたりの世界」~
 ・筑前琵琶「那須與市」 田中旭泉 中垣葵 中垣結(橘流日本橘会)
 ・仕舞「菊慈童」シテ:味方梓 地謡:青木真由人(共に観世流能楽師)
 ・女房語り「京ことばで聞く源氏物語『紅葉賀』」山下智子(声優・俳優)

  ※プログラムは予告なしに変更する場合がございます

田中 旭泉 味方 梓 山下 智子

6:募集要項
 【募集期間】 令和7年6月26日(木)~令和7年7月28日(月)必着
 【応募方法】 申し込みフォームまたは郵便往復はがきで申し込み
        ※1通につき2名まで応募可

■抽選結果の通知については、8月中旬を予定しております。
 往復はがきからの応募:当選の方は、「入場券」(返信はがき)にて通知します。当日必ずご持参ください。
            落選の方は返信はがきにて通知します。
 Webからの応募:[当選][落選]いずれかをメールにて通知します。申し込み終了後に、受付完了メールが届かない場合は、当委員会までご連絡ください。登録されたメールアドレスが間違っているか、受信拒否設定をされている可能性があります。その場合、当落通知も届きませんのでご注意ください。
 ※1名様でご応募の場合、2名様での入場はできません。
 ※2名様でのお申し込みの場合、受付は2名揃われてからになります。
■申し込み時にご記入いただいた個人情報につきましては、古典の日文化基金賞顕彰委員会からの各種連絡の目的にのみ使用します。
◆次の場合は応募が無効となりますので、ご注意ください。◆
・Web、郵便往復はがき以外での応募  ・記入漏れ、記入不備  ・1通につき、3名以上の応募  
・応募締切日を過ぎたもの  ・応募イベントが不明なもの

第5回文化基金賞授賞式ちらし(PDF形式)

※迷惑メール防止のための受信設定をされている場合は、以下のメールアドレスからの受信が出来るよう設定してからお申し込みください。申し込み完了通知 postman@formzu.com 当落通知 kotennohi@hellokcb.or.jp
※携帯電話のアドレスは、ご使用にならないでください。こちらからのメールがエラーで届かない場合があります。

<往復はがき記入例>
記入例を参考に、必要事項を黒のボールペン等ではっきりとご記入ください。
(字が消せるタイプの筆記具はご使用にならないでください。)

※画像をクリックすると拡大表示できます。

●往復はがきの記入事項
 【往信用の表】
  〒600-8009 下京区四条通室町東入 京都経済センター3階
  (公財)京都文化交流コンベンションビューロー内
   古典の日文化基金賞 係
 【返信用の裏】
  抽選結果を印刷しますので、何も記入しないでください。
 【往信用の表】
  ご自身(応募者)の住所とお名前
 【返信用の裏】
  ①催し名 授賞式
  ②参加希望人数(2名まで)
  ③応募者の氏名(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号