「四季草花草虫図屏風」(蝶・蜻蛉)鈴木其一「春秋草木図屏風」

俵屋宗達「双犬図」※作品画像はすべて部分、細見美術館蔵

「古典の日文化基金賞」創設 11 月1日が「古典の日」として制定されたことを記念し、彬子女王殿下を名誉総裁に推戴して、日本の古典文化の研究・普及・啓発活動に貢献した個人、法人、団体を顕彰することを通して、古典の日の推進に寄与することを目的に「古典の日文化基金賞」を創設しました。

趣旨Greeting

2008年11月1日、京都で開催された源氏物語千年紀記念式典において、平成の天皇・皇后両陛下のご臨席の下「古典の日」が宣言されました。「人間の叡智の結晶であり、人間性洞察の力とその表現の美しさによって、私たちの想いを深くし、心を豊かにしてくれるもの。いまも私たちの魂をゆさぶり、『人間とは何か、生きるとは何か』との永遠の問いに立ち返らせてくれるもの。それが古典である。(「古典の日宣言」より)」『源氏物語』や『枕草子』だけが古典ではありません。北海道には「ユーカラ」があり、沖縄には「組踊」があるように、地域の風土と歴史に根差した芸能、文学、工芸、祭事等、多彩で豊かな古典文化が存在します。それは時と所を超えて未来への尽くせぬ知恵の源泉ともいえます。「古典の日文化基金賞」は古典の概念を「我が国において創造され、また継承された古来の文化的所産」とし、生活文化の分野まで授賞対象を幅広くとらえ、その研究・普及・啓発活動に取り組む個人、法人、団体を顕彰します。

挨拶Greeting

「古典の日文化基金賞顕彰委員会」会長 村田純一

「古典の日文化基金賞顕彰委員会」会長の村田純一です。ご縁があって、2008年の「源氏物語千年紀」以来、微力ながら古典文化の普及に努め、2012年には「古典の日に関する法律」も制定されましたが、古典というと堅苦しく難しいものという先入観が未だに拭いきれず、残念ながら、今一つ国民的な広がりにまで至っていません。近年、大学でも古典文学を学ぶ学生が減り続け、次世代の日本文化を担う若者たちの古典離れが危惧されています。
昨年、古典の日推進委員会発足10周年を迎えるにあたり、同じ思いを持つ芳賀徹先生(誠に残念ながら2020年2月20日にご逝去されました)からご示唆をいただき、また、平素から古典の日について深いご理解をたまわっている彬子女王殿下を名誉総裁にお迎えし、全国各地で古典文化の研究、普及、啓発活動に取り組む人たちを顕彰し、励ますための賞を設立することとしました。
私はこの賞のあり方を、分かりやすく「三つの分野、三つの活動、三つの目標」といたしました。
まず「三つの分野」ですが、日本の古典文化を「文学・思想」の分野、「伝統芸能・音楽」の分野、「美術・生活文化」の分野の三つに分け、それぞれのジャンル毎に顕彰いたします。優れた伝統文化としての古典の枠組みを、できる限り広げてゆきたいという趣旨です。
次に、「三つの活動」ですが、本来の「研究活動」の他に、普及活動、啓発活動を掲げています。古典を身近な、親しみのあるものとして広げていく「普及活動」、そして、児童・生徒・学生など、次世代の若者たちへ古典のすばらしさを伝えるための「啓発活動」です。
最後に「三つの目標」です。まず、第1番目は、「11月1日・古典の日の更なる全国展開」です。次に、2番目の目標は、「誰もが身近に親しめる古典」の在り方を目指します。そして3番目は、「優れた古典の次世代への継承」に努めます。以上が三つの目標です。
第1回「古典の日文化基金賞」授賞式は来年令和3年9月3日に京都で開催され、以降、毎年9月3日に開催されます。9月3日としましたのは、「授賞式は日本の古典のゆかりの日に」という名誉総裁彬子女王殿下の意向からでした。源氏物語に憧れたことで知られる菅原孝標の娘の更級日記は、1020年(寛仁4年)9月3日から始まります。その日、13歳の少女は憧れの源氏物語を読むために、生まれ育った東路の地の果てから、憧れの都に向かって旅立つのです。
それから千年、この9月3日が11月1日に並ぶ「古典の日」の第2のメモリアルデイになればと思います。 古典は『源氏物語』や『枕草子』だけではありません。北海道の「ユーカラ」から沖縄の「組踊」まで、優れた民族の遺産ともいうべき古典が全国に存在します。この賞が、日本人の叡智の結晶であり、日本人の美意識の源泉ともいえる古典の普及、活性化に役立つことを願い、日本の古典文化振興のために力を尽くしている全国の皆様の励みとなる賞でありたいと念じています。

93September the 3rd

「ねぇ、ねぇ、もっときかせてよ」 「ねぇ、ねぇ、もっときかせてよ」 タイトル:「山本容子と姫君たち」より「行火」
技法:ソフトグランドエッチング、手彩色
用紙:和紙、雁皮紙刷り
制作年:2009年
イメージサイズ:30×20mm

なぜ9月3日?

菅原孝標女が書き記した『更級日記』の冒頭である。彼女が生まれたのは、寛弘五年(1008)、藤原公任が「若紫やさぶらふ」と紫式部に声をかけた年である。『更級日記』は父の任国、上総国から京に門出するところからはじまる。上総国で育った少女は、姉や継母から『源氏物語』をはじめ数々の物語を話してほしいとせがむが、思うように思い出して話してくれることができないじれったさを感じ、薬師如来に「早く京都に帰らせてください。ある限りの物語をたくさん読ませてください」と祈った。とうとう念願が叶って都に行く門出が9月3日。『源氏物語』を昼夜を問わず読みふける希望にあふれた幕開けです。菅原孝標女、十三歳の頃。

あゆみHistory

  • 2020(令和2年)3月2日「古典の日文化基金賞顕彰委員会」の設置
    京都文化交流コンベンションビューロー理事会に於いて、当ビューロー内に古典の日文化基金賞顕彰委員会の設置について 承認された。
  • 2020(令和2年)9月3日「古典の日文化基金賞」設立記者会見
    村田純一古典の日推進委員会会長の寄附により、古典文化の研究・普及・啓発に尽くした個人、法人、団体を顕彰する賞を 設立し、2021年(令和3年)9月3日に同授賞式を開催する旨を公式発表した。

設立記者会見

組織図Organization chart

古典の日文化基金賞顕彰委員会

《古典の日文化基金賞顕彰委員会》

【名誉総裁】

彬子女王殿下

【顧 問】

  • 千 玄室
    裏千家 前家元・古典の日推進よびかけ人代表
  • 瀬戸内 寂聴
    作家
  • 中西  進
    京都市立芸術大学名誉教授
  • 高階 秀爾
    大原美術館館長
  • 木津川 計
    立命館大学名誉教授

【会長】

  • 村田 純一
    古典の日推進委員会会長

【委 員】

  • 西脇 隆俊
    京都府知事
  • 門川 大作
    京都市長
  • 松本 淳子
    宇治市長
  • 塚本 能交
    京都商工会議所会頭

《古典の日文化基金賞選考委員会》

【委員長】

  • 村田 純一
    古典の日推進委員会会長

【副委員長】

  • 朧谷  壽
    公益財団法人 古代学協会理事長

【委 員】

  • 井上 八千代
    京舞井上流五世家元
  • 葛西 聖司
    古典芸能解説者
  • 熊倉 功夫
    MIHO MUSEUM 館長
  • 檀  ふみ
    俳優
  • 東儀 秀樹
    雅楽師
  • 冷泉 貴実子
    公益財団法人・冷泉家時雨亭文庫常務理事

【オブザーバー】

  • 安井 順一郎
    文化庁・地域文化創生本部事務局長

《候補者情報調査会》
【座 長】

  • 山本 壯太
    古典の日推進委員会・ゼネラルプロデューサー

【委 員】

  • 栗原 祐司
    京都国立博物館副館長
  • 小林 一彦
    京都産業大学文化学部教授
  • 田口 章子
    京都芸術大学教授
  • 濱崎 加奈子
    京都府立大学准教授

《古典の日・文化基金顕彰委員会事務局》

古典の日推進委員会
公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー〈令和3年4月1日現在〉

設置要綱Installation outline

  • (趣旨)

    第1条 11月1日が古典の日として制定されたことを記念し、日本の古典文化の研究・普及・啓発活動等に貢献した個人、法人、団体を顕彰し、古典の日の推進に寄与することを目的として、「古典の日文化基金賞(以下「文化基金賞」という。)」を創設する。

  • (実施体制)

    第2条 文化基金賞を主催し、実施するため、公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー定款第35条に基づき、「古典の日文化基金賞顕彰委員会(以下「顕彰委員会」という。)」を設置する。

  • (顕彰委員会の構成)

    第3条 顕彰委員会に会長を置き、名誉総裁、顧問及び委員若干名を置くこととし、会長が委嘱する。
    2  会長は古典の日推進委員会の村田純一会長とする。

  • (選考組織)

    第4条 被表彰者を選考するため、「古典の日文化基金賞選考委員会(以下「選考委員会」という。)」を設置する。

  • (選考委員会の構成)

    第5条 選考委員会に、委員長を置き、選考委員会委員は5名以上10名以内とし、会長が選任、委嘱する。

  • (候補者情報調査会の設置)

    第6条 選考委員会内に自薦、他薦の応募者の他に、独自の候補者を推薦する候補者情報調査会(以下「調査会」という。)を置く。
    2  調査会は候補者の事前調査と必要に応じてヒヤリング等を実施する。

  • (調査会の構成)

    第7条 調査会に座長1名を置き、調査会委員は3名以上5名以内とし、座長が選任し、会長が委嘱する。 2 座長は、古典の日推進委員会の山本壯太ゼネラル・プロデューサーとし、 会長が委嘱する。

  • (任期)

    第8条 役員及び各委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。
    2 役員及び各委員の任期が満了となった場合において、役員及び各委員並びに会長から特段の申し出がない場合は、その任期は、自動的に更新されるものとする。

  • (被表彰対象者)

    第9条 「古典の日に関する法律」第2条に定義された古典の研究・普及・啓発活動に参画する個人、法人、団体を対象とする。
    2 活動の拠点は日本国内外を問わないものとする。

  • (表彰分野)

    第10条 表彰は、次の3分野に分けて募集、選定を行うこととし、応募方法及び期間等については別に定める。
    (1)[文学・思想分野] 文学、哲学、学術、思想,宗教ほか
    (2)[伝統芸能・音楽分野] 伝統芸能、演芸、演劇、舞踊、音楽ほか
    (3)[美術・生活文化分野] 美術、工芸、生活文化、祭事、その他の文化芸術

  • (賞の授与)

    第11条 文化基金賞は、毎年、第10条に掲げる3分野ごとに、正賞と副賞賞金100万円を授与する。

  • (財源)

    第12条 文化基金賞の実施について必要な財源として「古典の日文化基金積立資産」を設置し、事業推進に充当するものとする。

  • (庶務事務)

    第13条 文化基金賞の庶務事務は古典の日推進委員会事務局において行う。

  • (その他)

    第14条 この要綱に定めるもののほか、文化基金賞の表彰に関し必要な事項は、顕彰委員会会長が別に定める。

  • (附則)

    この要綱は、理事会の議決の日(令和2年3月2日)から施行する。

古典の日文化基金賞
デザインについて
Design

「古典の日文化基金賞公募」ポスター

「古典の日文化基金賞公募」ポスターデザイン

コンセプト:王朝のみやび「料紙」をモチーフにデザインした。

色彩と文様の粋をこらした「料紙」に、和歌を流麗なかな文字で書いた「三十六人歌集」の冊子は、王朝のみやびを集約した遺品といえる。料紙は、色彩の異なる紙を「切継」(きりつぎ)、「破継」(やぶりつぎ)の技法を用い、色をずらして繋ぎ重ね、模様を創る方法である。直線と曲線、色彩が相まった美しい線と面の構成は実に斬新で現代の抽象絵画に通じるものがある。想像力を働かせば、それは雲、山、川、霞にも見え和歌の世界を奥行きのある豊かなものにしてくれる。

「古典の日文化基金賞」マーク

「古典の日文化基金賞」マークデザインについて

唐草模様は蔓草(つるくさ)の茎(くき)や葉が絡み合って曲線を描く文様である。生命力が強く途切れることなく蔓を伸ばしてゆくことから「繁栄・長寿」などの意味があり縁起のいい文様として古くから人々に親しまれてきた。唐草文様は古代エジプトやメソポタミアで生まれギリシャ、ローマ、シルクロードを経て、飛鳥時代に日本に伝わったといわれている。「古典の日文化基金賞」のマーク制作にあたりモチーフを創造上の「雲唐草」、夢と品格を感じる表現とした。

ポスター&マーク制作デザイナー

グラフィックデザイナー久谷政樹
グラフィックデザイナー
久谷政樹

久谷政樹のプロフィール
1940年京都生

京都造形芸術大学名誉教授
(公財)日本文化藝術財団理事
(公社)京都デザイン協会監事
(一社)総合デザイナー協会理事

【賞歴】
1982年 ブルノグラフィックビエンナーレ銀賞
(チェコスロバキア)
2019年 平成30年京都府産業功労者表彰
国内および国際的な賞、多数
国内外での展覧会出品と個展、多数

【古典文化に関わる主なグラフィックの仕事】
2008年「源氏物語千年紀」公式ポスター及びロゴマークデザイン
2009年「個展の日」ロゴマーク・キャラクターデザイン
2011年「古典の日」公式ポスター及びロゴマークデザイン
2014年「琳派400年記念祭」公式ポスター及びロゴマーク・キャラクターデザイン
2017年「古典の日法律制定5周年」公式ポスターデザイン

【パーマネントコレクション】
ワルシャワポスター美術館(ポーランド)
ヨーク大学(カナダ)
ラハチポスターミユージアム(フィンランド)
コロラド州立大学(USA)
ミュンヘン国立美術館(ドイツ)
ロンドン大学(インドネシア)
ブルノモラヴィアギャラリー(チェコ)
ウランバートル国立現代美術館(モンゴル)
ブランデンブルグ美術館(ドイツ)
京都工芸繊維大学美術工芸資料館(日本)
西安ユーラシア大学(中国)
西安建築科技大学建築学院(中国)