朗読コンテストRecitation
第13回「古典の日」朗読コンテスト(2021年)
フォーラム「古典の世界を読む2021」
第13回古典の日朗読コンテスト公開最終審査会と表彰式が開催されました
今年も清々しく晴れた11月20日(土)に、第13回古典の日朗読コンテスト最終審査会と表彰式が開催されました。
今年の課題は日本三大随筆でした。応募者数は過去最高の人数となりました。応募状況の詳細は、以下の通りです。
一般部門 | 中学・高校生部門 | 合計 | ||
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中学生 | 高校生 | |||
枕草子 | 98名 | 78名 | 94名 | 270名 |
方丈記 | 144名 | 35名 | 37名 | 216名 |
徒然草 | 25名 | 33名 | 20名 | 78名 |
合計 | 267名 | 146名 | 151名 | 564名 |
昨年は公開最終審査会を行わず、テープ審査での受賞者発表となりましたが、今年は2年ぶりに公開最終審査会を開催することが出来ました。全国564名の応募者の中から、一次審査・二次審査を通過した14名(中学生3名、高校生3名、一般8名)に、4年ぶりの会場となった金剛能楽堂に集まっていただきました。
まずは朗読順を決めるクジ引きからスタートです。そして、朗読・表彰式のリハーサル、今日1日の説明後はお昼休憩となります。天気が良いので、発声練習も兼ねてお弁当を持って御所に行かれた方が多かったようです。緑の多い御所でのお弁当と発声練習は、気持ちが良かったのではないでしょうか。
※画像をクリックすると大きい画像が表示されます。
■会場風景
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■審査委員・総合司会
菊川 德之助(演出家・元近畿大学舞台芸術教授) | 端田 宏三(大阪放送劇団俳優・関西朗読クラブ代表) |
中村 宏(元NHKアナウンサー) | 井上 恭子(元日本海テレビアナウンサー・朗読、話し方講座講師) |
辻 ひろ子(元KBS京都アナウンサー・朗読講座講師) | 星野 祐美子(フリーアナウンサー) |
古典の日推進委員会ゼネラルプロデューサーの山本壯太の主催者挨拶から始まりました。まずは、11月9日にお亡くなりになられた瀬戸内寂聴先生のご冥福を願って、皆さんで黙とうを捧げました。先生は、古典の日の制定に大変なご尽力をいただき、その後、講演等も務めていただきました。
文化庁地域文化創生本部安井順一郎事務局長から来賓のご挨拶をいただき、【中学・高校生部門】の中学生の3名から出場者の朗読がスタートいたしました。中学生から高校生へ、そして【一般部門】へと朗読が進みます。休憩時間には、出場者同士で交流を深められていたようです。
■主催者代表挨拶・来賓挨拶
古典の日推進委員ゼネラルプロデューサー 山本 壯太 |
文化庁 地域文化創生本部事務局長 安井 順一郎 |
■最終審査会出場者の朗読
<中学生>
原田 香蓮 (京都府・京都市立西京高等学校附属中学校3年生) 作品:『枕草子』 |
東浦 愛夏 (大阪府・桃山学院中学校2年生) 作品:『枕草子』 |
谷崎 勘九郎 (大阪府・桃山学院中学校2年生) 作品:『枕草子』 |
<高校生>
山田 玲奈 (福島県・福島県立原町高等学校2年生) 作品:『枕草子』 |
山﨑 未来 (静岡県・東海大学付属静岡翔洋高等学校3年生) 作品:『徒然草』 |
山原 優喜 (大阪府・浪速高等学校2年生) 作品:『枕草子』 |
<一般>
藤本 睦美(大阪府) 作品:『徒然草』 |
駒木 玲子(奈良県) 作品:『方丈記』 |
東海林 明(東京都) 作品:『方丈記』 |
渡邊 久美子(大阪府) 作品:『方丈記』 |
西澤 美子(大阪府) 作品:『方丈記』 |
木村 直子(大阪府) 作品:『枕草子』 |
善積 まゆみ(神奈川県) 作品:『方丈記』 |
内山 あゆみ(大阪府) 作品:『徒然草』 |
全出場者の朗読が終了すると休憩時間となり、その後は、佐藤和哉さんによる篠笛演奏でした。「舞姫」「紅葉」「秋の小道」「瑠璃色の光」の4曲を演奏いただいたのですが、能舞台の雰囲気と篠笛の音色が素敵にマッチして、すっかり酔いしれた方も多かったのではないでしょうか。
佐藤さんの篠笛演奏の後は、荒木浩教授の講演でした。「クルクル回る『徒然草』—音読/黙読と三大随筆の歴史をめぐる」と、タイトルからしてとても軽快です。今年の課題である三大随筆の歴史や、それぞれの随筆に込められた「時の流れ」を論じていただきました。最後は三大随筆を音楽のビートで表現されており、とても新鮮でした。このような表現方法で古典文学を考えていくと、楽しく身近に感じられるのではないかと思いました。
■篠笛演奏
篠笛演者・作曲家 佐藤 和哉 |
■講演「クルクル回る『徒然草』— 音読/黙読と三大随筆の歴史をめぐる」
国際日本文化研究センター教授 荒木 浩 |
毎回ドキドキと緊張する審査発表は、特別賞の文部科学大臣賞から発表です。合計9つの賞の受賞者が発表となります。今回、受賞を逃された方もいらっしゃいますが、全応募者564名から選出された14名です。この舞台に立たれているだけでも、すばらしい実力をお持ちの皆様なので、いつも全員の方に賞を送りたい気持ちになります。
■審査発表・表彰式
表彰式後は、各5人の審査委員の先生方から審査講評をいただきました。端田先生からは、朗読者自身の想い、個性が出て、そして古典の雰囲気を醸し出していた朗読者が素晴らしかったと、特別に評価をされていました。また、中村先生からは、ご自身の経験を交えながら、緊張しない、上がらないポイントとして場数を踏むこと。また、その場の雰囲気に目を慣らす事を、教えていただきました。井上先生からは、「声は世界でたった一つのあなただけの宝物です。これからも、その大事な宝物を磨いていって欲しい。」と言葉をいただきました。辻先生からは、審査の基準・評価の柱となる、3つのポイント(技術力・表現力・解釈の力)について、教えていただきました。最後に審査委員長の菊川先生から、「古典の文章に合った魂・心の動きを捉えられた時に、良い朗読が出来ると思う。次回の応募も楽しみに待っている。」と締めくくられました。
当委員会では第14回に向けて、動き出しております。次回も沢山のご応募をお待ちしております。
■審査講評
審査委員 端田 宏三 | 審査委員 中村 宏 |
審査委員 井上 恭子 | 審査委員 辻 ひろ子 |
審査委員長 菊川 德之助 |
■最終審査会出場者 集合写真
フォーラム「古典の世界を読む2021」のご案内(PDF形式)
■今年だけのスペシャル■
毎年、様々なテーマで京菓子のデザイン公募と菓子展を開催している「手のひらの自然 京菓子」(主催 有斐斎弘道館)。今年のテーマが、朗読コンテストの課題の一つでもある『徒然草』でした。京菓子デザイン部門の大賞と古典の日推進委員会特別賞を受賞された、2点のお菓子を特別に老松さんに制作していただきました。味覚からも『徒然草』を楽しんでいただきたく、今年だけのスペシャルとして出場者の皆様に、お土産としてお持ち帰りいただきました。
中学生・高校生部門の出場者6名にご協力いただき、お菓子と記念撮影をしました。
お菓子の詳細は、こちらのページをご覧ください。→ 京菓子展 手のひらの自然-徒然草2021
<大賞> 土のいろ 作:齋藤 希美 |
<古典の日推進委員会賞> 染 作:鄭 雯心 |
第13回古典の日朗読コンテスト 課題作品・審査委員
■課題作品
【一般部門】【中学・高校生部門】共通 ①~③のいずれか1作品を選択。
『新編日本古典文学全集』 小学館の以下の指定範囲を朗読のこと
①『枕草子』 (新編日本古典文学全集 18) *両範囲を朗読
範囲:「一 春はあけぼの」 春はあけぼの。~白き灰(はひ)がちになりてわろし。(P.25 L.1~P.26 L.5)
範囲:「一四五 うつくしきもの」 うつくしきもの~瑠璃(るり)の壺(つぼ)。(P.271 L.1~P.272 L.10)
②『方丈記』 (新編日本古典文学全集 44)
範囲:「一 ゆく河」 ゆく河(かは)の流れは絶えずして、~すぐれてあぢきなくぞ侍(はべ)る。(P.15 L.1~P.18 L.1)
③『徒然草』 (新編日本古典文学全集 44)* 両範囲を朗読
範囲:「序段」 つれづれなるままに、~下戸(げこ)ならぬこそ男(をのこ)はよけれ。(P.81 L.2~P.83 L.5)
範囲:「第一二一段」 養(やしな)ひ飼(か)ふものには、~文(ふみ)にも侍るなれ。(P.175 L.2~P.175 L.15)
■審査委員
審査委員長 菊川 德之助 (演出家・元近畿大学舞台芸術教授)
審査委員 端田 宏三 (大阪放送劇団俳優・関西朗読家クラブ代表)
中村 宏 (元NHKアナウンサー・「NHKラジオ深夜便」第2金曜日を担当)
井上 恭子 (元日本海テレビアナウンサー・朗読、話し方講座講師)
辻 ひろ子 (元KBS京都アナウンサー・朗読講座講師)
星野 祐美子 (フリーアナウンサー)