「四季草花草虫図屏風」(蝶・蜻蛉)鈴木其一「春秋草木図屏風」

俵屋宗達「双犬図」※作品画像はすべて部分、細見美術館蔵

朗読コンテストRecitation

第9回「古典の日」朗読コンテスト(2017年)

 

第9回古典の日朗読コンテスト公開最終審査会と表彰式が開催されました


11月18日(土)に第9回目の朗読コンテスト最終審査会が行われました。当日は小雨が降る寒い中、会場となった金剛能楽堂まで多くの方に足を運んでいただきました。今年は【一般の部】200名、【中学・高校生の部】167名、合計367名の中から13名が選ばれました。課題作品は『源氏物語』第十九帖「薄雲」、『平家物語』巻第七「忠度の都落ち」、『おくのほそ道』「序文」「市振の宿」、『雨月物語』「浅茅が宿」の4作品でしたが、最終審査には『平家物語』を読まれた方が選ばれず、3作品のみの朗読となりました。午前中のリハーサルの後は和気あいあいとリラックスした雰囲気で過ごされていた出場者の皆さんも、本番前となるとやはり少しピリピリした雰囲気。個々に最後の練習に集中され、良い緊張感のある楽屋となりました。最終審査会出場者の朗読の後は、今回で2回目となる世界の詩文朗読でした。今年は東アジア文化都市2017京都との連携事業で、日・中・韓の詩の朗読でした。まず初めにお酒を愛した詩人・李白の「月下独酌」「将進酒」「山中にて幽人と対酌す」です。この3編の詩を、中国語の原文を朱天愚さん(京都府名誉友好大使)、書き下し文を村上秀行さん(第5回古典の日朗読コンテスト【一般部門】大賞受賞者)に交互に読んでいただきました。次に尹道心さん(韓国茶道協会京都支部長)が、お茶に関係する2編を含む合計3編の詩を、解説を交えて韓国語で朗読していただきました。最後に日本の詩を冨田真帆さん(第3回古典の日朗読コンテスト【中学・高校生部門】大賞受賞者)が朗読されました。日本語は明治の新体詩から島崎藤村の『初恋』、与謝野晶子の『君死にたまふことなかれ』、北原白秋の『落葉松』でした。世界の詩文朗読の余韻を残しながら、伍芳さんの中国古筝の演奏に入りました。能楽堂の素敵な空間が、素敵な古筝の音色で包まれました。世界の詩文朗読・中国古筝演奏の間に、審査委員の先生方が厳正なる審査を行い、その結果が発表されました。ひとり、ひとりお名前が呼ばれる中、会場からはどよめきや溜息、温かい拍手が送られました。その後、審査委員長の菊川先生より、審査員を代表して審査講評がありました。『平家物語』は素晴らしい作品だが難しい。だから今回は、最終審査会で朗読する方が残らなかったのではないか。そこが残念だった。しかし今回【中学・高校生部門】の受賞者が、例年より多いと言うことがうれしい。大賞を取られた康さんの朗読は、朗読の文章がよって来ると表現されました。また、男性の朗読者が少ないので、男性に頑張ってほしい。しかし今回【中学・高校生部門】の大賞受賞者が男性であったことがうれしい。古典の日の朗読が今後も素晴らしく続くことを願う。とコンテストをしめてくださいました。まだ一度もコンテストに応募をしたことがない方、最終審査会に出場できなかった方、今回賞が取れなかった方、そして、賞は取っても大賞を逃した方。来年の第10回朗読コンテストの挑戦を、楽しみにお待ちしております。

 

■会場風景※画像をクリックすると大きい画像が表示されます。

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■総合司会 星野祐美子(フリーアナウンサー

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■挨拶 古典の日推進委員会会長 村田 純一

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■最終審査会出場者朗読

<中学生>

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岸 ふみ
(長崎県・長崎県立諫早高等学校附属中学校1年生)
作品:『雨月物語』「浅茅が宿」
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田中 春愛
(長崎県・長崎県立諫早高等学校附属中学校2年生)
作品:『源氏物語』第十九帖「薄雲」
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野村 虹乃
(兵庫県・啓明学院中学校1年生)
作品:『おくのほそ道』「序文」「市振の宿」
<高校生>
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工藤 佑美
(東京都・学習院女子高等科1年生)
作品:『雨月物語』「浅茅が宿」
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内田 美鈴
(東京都・学習院女子高等科2年生)
作品:『雨月物語』「浅茅が宿」
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池田 温斗
(大阪府・東海大学付属仰星高等学校2年生)
作品:『おくのほそ道』「序文」「市振の宿」
<一般>
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康 初子(大阪府)
作品:『雨月物語』「浅茅が宿」
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原田 修身(京都府)
作品:『おくのほそ道』「序文」「市振の宿」
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善積 まゆみ(神奈川県)
作品:『おくのほそ道』「序文」「市振の宿」
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河南 悦美(京都府)
作品:『雨月物語』「浅茅が宿」
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高村 絵里(東京都)
作品:『源氏物語』第十九帖「薄雲」
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小谷 常(京都府)
作品:『おくのほそ道』「序文」「市振の宿」
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阿瀬 あけみ(大阪府)
作品:『源氏物語』第十九帖「薄雲」

 

■世界の詩文朗読

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中国語

李白 『月下独酌』、『将進酒』、『山中にて幽人と対酌す』

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中国語原文朗読 朱 天愚
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書き下し文朗読 村上 秀行
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韓国語 尹 道心

尹 柄謹 『詩をかきながら』、『茶一服の情け』
徐 居正 『煎茶詩』
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日本語 冨田 真帆

島崎 藤村   『初恋』
与謝野 晶子  『君死にたまふことなかれ』
北原 白秋   『落葉松』

 

■中国古筝演奏

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伍 芳

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■審査発表・表彰式

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大賞:古典の日推進委員会会長賞
【一般部門】
康 初子
作品:『雨月物語』「浅茅が宿」
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大賞:古典の日推進委員会会長賞
【中学・高校生部門】
池田 温斗
作品:『おくのほそ道』「序文」
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特別賞:京都府知事賞
高村 絵里
作品:『源氏物語』第十九帖「薄雲」
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特別賞:京都市長賞
善積 まゆみ
作品:『おくのほそ道』「序文」「市振の宿」
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特別賞:宇治市長賞
小谷 常
作品:『おくのほそ道』「序文」「市振の宿」
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特別賞:京都商工会議所会頭賞
野村 虹乃
作品:『おくのほそ道』「序文」「市振の宿」
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特別賞:京都府高等学校文化連盟会長賞
内田 美鈴
作品:『雨月物語』「浅茅が宿」
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特別賞:古典の日推進委員会特別賞
田中 春愛
作品:『源氏物語』第十九帖「薄雲」

 

■審査講評 審査委員長 菊川德之助

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フォーラム「古典の世界を読む2017」のご案内(PDF形式)

古典の日に関する法律制定5周年記念
第9回古典の日朗読コンテスト 課題作品・審査員


■ 課題作品
【一般部門】【中学・高校生部門】共通 いずれか1作品を選択 指定範囲を朗読のこと
1:
『源氏物語』第十九帖「薄雲」乳母、明石君を慰める~明石母娘の別れ
(範囲:雪、霰がちに、~「生ひそめし根もふかければ武隈の松に小松の千代をならべんのどかにを」と慰め給。)
2: 『平家物語』巻第七「忠度の都落ち」
(範囲:薩摩守のたまひけるは、~子細に及ばずといひながら、うらめしかりし事どもなり。)
3: 『おくのほそ道』「序文」「市振の宿」*両方を読んでください。
「序文」(範囲:月日は百代の過客にして、~面八句を庵の柱に懸置。)
「市振の宿」(範囲:今日は親しらず・子しらず~曾良にかたれば、書とヾめ侍る。)
4: 『雨月物語』「浅芽が宿」
(範囲:五更の空明けゆくころ、~涙をとどめて立ち出づれば、日高くさし昇りぬ。)
以上の題材の典拠として、出版社の指定はしない。

 

■審査員

審査委員長 菊川 德之助 (演出家・元近畿大学舞台芸術教授)
審査員 飯田 忠義 (元NHKアナウンサー・「琵琶湖周航の歌」研究家)
端田 宏三 (大阪放送劇団俳優・関西朗読家クラブ代表)
星野 祐美子 (フリーアナウンサー)
宮田 圭子 (女優)
三好 仁 (元KBS京都アナウンサー・朗読講座講師)
特別顧問 芳賀 徹 (国際日本文化研究センター名誉教授)

 

「応募申込書」ダウンロードはこちら(PDF形式:928KB)