朗読コンテストRecitation
第11回「古典の日」朗読コンテスト(2019年)
古典の日10周年記念
フォーラム「古典の世界を読む2019」
第11回古典の日朗読コンテスト公開最終審査会と表彰式が開催されました
気持ちの良い秋晴れの12月1日(日)に、第11回古典の日朗読コンテスト最終審査会と表彰式が開催されました。
今年の課題は「日本の古典文学にみる諧謔(かいぎゃく)<ユーモア>をテーマとした4作品でした。審査員の先生方からは「ユーモアを表現するのは難しい。そして、それを審査するのも難しい。」と言われていました。今回の課題に挑戦された皆様はどうだったでしょうか。
課題の応募状況は、以下の通りでした。
一般部門 | 中学・高校生部門 | 合計 | ||
---|---|---|---|---|
中学生 | 高校生 | |||
竹取物語 | 61作品 | 34作品 | 23作品 | 118作品 |
堤中納言物語 | 75作品 | 19作品 | 36作品 | 130作品 |
徒然草 | 60作品 | 44作品 | 28作品 | 132作品 |
伊曾保物語 | 14作品 | 18作品 | 7作品 | 39作品 |
合計 | 210作品 | 115作品 | 94作品 | 419作品 |
今年の最終審査会出場者は、中学生4名、高校生3名、一般9名の合計16名となりました。出場者の皆さんには、午前中に集合していただき、朗読順を決めるクジを引いてもらいます。そして朗読・表彰式のハーサルを行い、その後はお昼休憩を取ったり、出場者の皆さんで交流をされたり、各々声出しをして最終審査会に臨まれました。
中学生、高校生、一般の順番で朗読が進み、出場者の方々は、思い思いのユーモアを表現されていました。
休憩後は、シルヴァン・旭西・ギニャールさんの筑前琵琶演奏でした。迫力ある「舟弁慶」で、会場の皆さんは一気に荒れ狂う海に引き込まれました。
筑前琵琶演奏の後は、総合司会を務めていただいている星野祐美子さんによる、講演「朗読でつながるご縁 広がる世界」でした。筑前琵琶の少し緊迫感ある雰囲気から、星野さんの落ち着いたかわいい声で、会場はほっこりとした雰囲気に包まれました。宮沢賢治の『虔十公園林』の朗読をされ、虔十の様子や杉の公園を想像しながら、聞かれていたことと思います。
筑前琵琶演奏と講演の間に審査員室では、最終審査会を終えた16名の審査が行われていました。コンテスト過去10回の実績から、今年から文部科学大臣賞を新設することができ、9つの賞が決まりました。毎年の事ですが、表彰式の各賞の受賞者が発表されるたびに、会場からどよめきが起こります。そんな各賞の発表が終わったあと、審査員長の菊川先生から審査講評をいただきます。古典の朗読のイメージのお話や、文章を読んで自分の感じるリズムで文章を読む。感じたことを表現することが大切と話されていました。朗読の世界は、難しいですね。
第11回が終わったばかりですが、当委員会では第12回に向けて、ゆるやかに準備が始まっています。第12回も多くの皆様からの挑戦をお待ちしております。次回はどのような課題になるのか、お楽しみにお待ちください。
※画像をクリックすると大きい画像が表示されます。
■会場風景
|
|
■審査員・総合司会
菊川 德之助(演出家・元近畿大学舞台芸術教授) |
端田 宏三(大阪放送劇団俳優・関西朗読クラブ代表) |
宮田 圭子(女優) |
三好 仁(元KBS京都アナウンサー・朗読講座講師) |
中村 宏(元NHKアナウンサー) |
星野 祐美子(フリーアナウンサー) |
■主催者代表挨拶・来賓挨拶
古典の日推進委員ゼネラルプロデューサー 山本 壯太 |
文化庁 地域文化創生本部事務局長 三木 忠一 |
■最終審査会出場者の朗読
<中学生>
吉岡 優衣 (長崎県・長崎県立諫早高等学校附属中学校3年生) 作品:『堤中納言物語』 |
藤本 和奏 (兵庫県・西宮市立浜脇中学校3年生) 作品:『伊曾保物語』 |
岸 ふみ (長崎県・長崎県立諫早高等学校附属中学校3年生) 作品:『伊曾保物語』 |
山下 菜々陽 (長崎県・長崎県立諫早高等学校附属中学校3生) 作品:『竹取物語』 |
<高校生>
武村 陽向 (大阪府・東海大学付属大阪仰星高等学校2年生) 作品:『堤中納言物語』 |
若林 萌恵 (奈良県・奈良県立奈良高等学校1年生) 作品:『竹取物語』 |
佐川 健生エルダン (大阪府・浪速高等学校3年生) 作品:『徒然草』 |
<一般>
安永 貴駒(大阪府) 作品:『徒然草』 |
東出 芳子(福井県) 作品:『堤中納言物語』 |
善積 まゆみ(神奈川県) 作品:『徒然草』 |
佐藤 千津(京都府) 作品:『堤中納言物語』 |
今井 悦子(京都府) 作品:『竹取物語』 |
大崎 澪(北海道) 作品:『伊曾保物語』 |
牛田 優子(徳島県) 作品:『竹取物語』 |
田岡 たか子(神奈川県) 作品:『堤中納言物語』 |
髙岩 靖典(東京都) 作品:『徒然草』 |
■筑前琵琶演奏『舟弁慶』
シルヴァン・旭西・ギニャール |
■講演「朗読でつながるご縁 広がる世界」
星野 祐美子 |
■審査発表・表彰式
■審査講評
審査委員長 菊川 德之助 |
■最終審査会出場者 集合写真
フォーラム「古典の世界を読む2019」のご案内(PDF形式)
古典の日10周年記念
第11回古典の日朗読コンテスト 課題作品・審査員
■課題作品
【一般部門】【中学・高校生部門】共通 いずれか1作品を選択。指定範囲を朗読のこと。
- ①『竹取物語』
- 範囲:旅(たび)の空に、たすけ給(たまふ)べき人もなき所に、~此(この)宮より給はらん。
- ②『堤中納言物語』 虫めづる姫君
- 範囲:蝶(ちよう)めづる姫君のすみ給(たま)ふかたはらに、~几帳(きちよう)いでたてて、かくさかしくいひいだし給ふなりけり。
- ③『徒然草』 *全範囲を朗読
- 範囲:「第五十二段 仁和寺なる法師」 仁和寺(にんわじ)なる法師、~先達(せんだつ)はあらまほしきことなり。
- 範囲:「第八十九段 奥山に猫またといふ物」 「奥山に猫(ねこ)またといふ物(もの)、~飛(と)び付(つ)きたりけるとぞ。
- 範囲:「第二百四十三段 八になりし年」 八(やつ)になりし年(とし)、~興(けう)じき。
- ④『伊曾保物語』 *両範囲を朗読
- 範囲:「烏(からす)と狐の事」 ある時、狐、~謙(へりくだ)るべし。
- 範囲:「蟻と蟬との事」 さる程に、春過ぎ、~悔ゆるものなり。 *
以上の題材の典拠として、出版社の指定はしない。
■審査員
審査委員長 | 菊川 德之助 | (演出家・元近畿大学舞台芸術教授) |
審査員 | 端田 宏三 | (大阪放送劇団俳優・関西朗読家クラブ代表) |
宮田 圭子 | (女優) | |
三好 仁 | (元KBS京都アナウンサー・朗読講座講師) | |
中村 宏 | (元NHKアナウンサー・「NHKラジオ深夜便」第1・第3金曜日を担当) | |
星野 祐美子 | (フリーアナウンサー) | |
特別顧問 | 芳賀 徹 | (国際日本文化研究センター名誉教授) |