「四季草花草虫図屏風」(蝶・蜻蛉)鈴木其一「春秋草木図屏風」

俵屋宗達「双犬図」※作品画像はすべて部分、細見美術館蔵

文化基金賞
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台風対応について

 

第4回「古典の日文化基金賞」授賞式について

台風10号の進路が気になるところですが、9月3日の古典の日文化基金賞授賞式は、予定通り開催する方向です。変更がございましたら、お知らせいたします。

第4回古典の日文化基金賞授賞式

 

こちらの募集は終了いたしました。沢山のご応募ありがとうございました。

第4回「古典の日文化基金賞」授賞式


 「古典の日文化基金賞」は、日本の古典文化の研究・普及・啓発活動に大きく貢献した方々を顕彰することを通じ、古典の日の推進に寄与することを目的に創設されました。国内外からの自薦及び他薦による応募者の中から、専門家により候補者が絞り込まれ、選考委員会でのより広い見地からの審査を経て、顕彰委員会において受賞者を決定しました。今年度も[ 文学・思想 ][ 伝統芸能・音楽 ][ 美術・生活文化 ]の3つの分野と、次世代の日本文化を担う若者達の古典文化活動を励まし顕彰する[古典の日文化基金未来賞]を贈ります。
 今年度は、特に藤原定家直筆の古今和歌集注釈書「顕注密勘」の発見を祝し、冷泉家時雨亭文庫に対して[古典の日文化基金賞顕彰委員会会長特別表彰]が贈られます。

~  受  賞  者  ~

【 文学・思想 】

◆NHK「100分de名著」制作スタッフ

「100分de名著」は明日からすぐ役に立つという視点ではやっていなくて、
後からじわじわ効いてくるといいと思っています
番組プロデューサー

 一度は読みたいと思いながらも、手に取ることをためらってしまったり途中で挫折してしまった古今東西の名著を、もう一回学びなおしたい「中高年世代」、「活字離れの若者世代」等に、プレゼン上手なゲストによるわかりやすい解説に加え、アニメーション、イメージ映像、朗読など、テレビ演出技法のあの手この手を駆使して、奥深い古典、名著の世界を紹介してきた。
 2011年の放送開始以来、紹介された作品数は140を超え、その間、番組制作を支えた制作スタッフ、出演者の努力に敬意を表し、今後の更なる活躍に期待したい。
受賞を受けて
 2008年、金融危機により資本主義の限界が明らかになり、「資本論」が注目を集めました。ソ連崩壊後、輝きを失ったかに見えた名著が再評価されたのを見て、私たちは古典が持つ力を改めて認識しました。そこでどんなに難解な本でも、25分間×4回でコンパクトに、誰でもわかるように解説する、そんなコンセプトで始まったのが「100分de名著」です。人間の心のありようは今も昔も変わりません。先人たちが苦労の末につかんだ真実を、短い時間でどう伝えるか、研究者や司会など様々な出演者の智恵をお借りしながら努力してまいりましたが、今回の受賞は大きな励みになりました。心より御礼を申し上げます。

 

【 伝統芸能・音楽 】

◆御陣乗太鼓保存会

太鼓と人、面とバチが在れば続けていける。
御陣乗太鼓は次世代に必ず残す

 この1月1日、能登半島を襲った大地震は、輪島市東部の海岸に位置する人口175人の名舟町(なふねまち)にも甚大な被害を及ぼした。御陣乗太鼓は、この小さな町と400年の歴史を歩んできた県の重要無形文化財であり、石川県を代表する伝統芸能の一つである。太鼓はこの町で育った男性に継承され、子供は小学生になると太鼓を習う。御陣乗太鼓は文字通り町と共にあり、町の人々の魂を支えてきた文化遺産である。
 大地震後も、いち早く避難中の担い手らが復興への活動を再開し、「太鼓と人、面とバチが在れば続けていける。次世代に必ず残す。」と励んでいる。今後も、能登復興の元気な旗印としての活動を期待したい。
受賞を受けて
 この度「古典の日文化基金賞」を受賞するにあたり、数々の素晴らしい文化芸能の中から御陣乗太鼓が選ばれたことは大変ありがたく、また光栄に存じます。
 今年の元日に私達の故郷輪島市名舟町は能登半島地震により甚大な被害を受けました。幸いにも保存会のメンバーは全員無事でしたが、名舟町の数少ない小学生、中学生のほとんどが金沢へ転校し、今後の伝統継承が絶望的な状況になった現在ですが、この賞を受賞した喜びと共に、私達の明るい希望となり、今後もより一層精進し伝統文化の発展と古典芸能の魅力を発信していきたいと思います。

 

【 美術・生活 】

◆漆芸職人集団彦十蒔絵

「能登半島の美しくも厳しい自然に育まれ、職人たちが忍耐強く育てた漆の文化。
それは私たち日本人にとって何物にも代えがたい宝物なのです。」
「能登半島地震復興祈念 漆能」趣意書

 2004年、「漆芸職人集団彦十蒔絵」を立ち上げた若宮隆志氏は、腕のいい漆芸職人であるとともに、優れたプロデューサーでもある。輪島塗は木地師、研ぎ師や蒔絵師といった多数の職人たちの分業で成り立ち、彦十蒔絵は現在20人で構成され、日本の民族的美意識、古典文学などから着想を得て、独自の意匠、メッセージ性を盛り込んだ斬新な作品を開拓してきた。竹や陶磁器等、異素材とのコラボなどにも取り組み、「ウルシの木植樹再生事業」などにも積極的に取り組んできた。
 能登半島地震に際しても、「能登半島地震復興記念 漆能」の推進等壊滅的な打撃を受けた輪島塗の復興のための活動を精力的に展開している。
受賞を受けて
 この度は「古典の日文化基金賞」を賜りまして心より厚く感謝を申し上げます。
 漆は縄文時代より日本人の生活と密接に関わり今日まで活かされてきました、三引遺跡出土の漆塗の櫛や、神社や仏閣で使用された漆器は漆塗であることに意味があったはずです、そこに私たちが未来に伝え残さなければならない大切な情報が詰まっていると考えております。
 彦十蒔絵ではこれからも漆器や蒔絵意匠の古典的な意味合いを研究しながら、現代の作品に活かして参りたいと思っております。

 

【 未来賞 】

◆湯前町立湯前中学校 [伝統芸能継承活動]

伝統を未来(To the Future)へ継承したい。
私たちは地域に学び、地域と共に生きる

 地域の伝統芸能継承活動として「球磨神楽」「東方組太鼓踊り」「浅鹿野棒踊り」を学習時間、夜間練習、夏休みを利用して各保存会から指導を受けて練習し、文化祭や地元の里宮神社の秋季大祭で披露している。中学生たちはこれらの活動を通じて学びを共有し、少子高齢化社会の中で、主体的に地域の伝統や文化を継承する大切さを学んでいる。
受賞を受けて
 この度、古典の日文化基金未来賞の受賞校に選出いただき、心より御礼申し上げます。また、この受賞は、本校OBや地域の方々の御尽力の賜物であり、関係の皆様に代わり、重ねて御礼申し上げます。
 本校の伝統芸能継承活動は、湯前町指定無形民俗文化財である伝統芸能を、地域の中で学校が核となって継承している全国的にも希少な取組であり、生徒の郷土愛や伝統を尊重する態度の育成に、重要な役割を果たしていることを高く評価いただいたことを大変誇りに思います。
 今後も、この栄誉ある賞に恥じぬよう、町当局をはじめ、保護者や地域の方々の御協力のもと、本校生徒及び職員で持続可能な伝統芸能として継承してまいりたいと考えています。

 

◆The American School in Japan 狂言クラブ

日本古典文化紹介の偉大な先達である「碧い眼の太郎冠者」
ドナルド・キーン先生に続こう

 59の国籍を持つ1700名の幼稚園から高校生までの子どもたちの通うインターナショナルスクール。1978年に発足した「狂言クラブ」は大蔵流狂言山本東次郎家から直接日本語で指導を受け、主に中・高校生が演者、台本の英訳、字幕などを分担して担当。演者たちは日本語のセリフを覚え、演技指導をうける。今年、第46回の公演を終え、「古きを訪ねて新しきを知る」の言葉通り、狂言を通して日本の文化を深く理解し、国際社会で活躍する次世代の人間形成を目指している。
受賞を受けて
 この度「古典の日文化基金未来賞」を受賞させていただき誠に光栄に存じます。未来賞の重みを実感しながら、狂言の活動を通して日本文化を理解するグローバルシチズンを世界へと送り出してきた諸先輩方への感謝の念と、次世代へバトンを繋いでいく責任を果たす決意を新たにしております。山本家への感謝の気持ちはもちろんの事、これまでの顧問の先生方、装束や鏡板を寄贈してくださった歴代のPTAの方々にも感謝しております。これからますます精進し、伝統文化である狂言の素晴らしさを校内だけではく国内外にも発信して、啓蒙活動に力を注いでまいりたいと思います。

 

◆味方梓(観世流能楽師)

若い世代に能を広めていける能楽師になりたい

 観世流能楽師味方玄の三女。2021年「小鍛冶」で初めて面をかけて演能する「初面」をつとめた。父の味方玄が毎年重ねてきた主催公演「テアトル・ノウ」(過去47回開催)で、初面以来、毎回父娘で一演目ずつ能を演じている。「能を観たことがない若い世代に、能を広めていける能楽師になっていきたい。」立命館大学文学部で古典を学び、京都能楽養成会で同世代の能楽師と共に研鑽を積んでいる若手のホープである。
受賞を受けて
 このたびは、「古典の日文化基金未来賞」という名誉ある賞をいただき、身に余る光栄、大変ありがたく思っております。まだ修行中の身であるため、まさか賞をいただけるとは想像もしておらず本当に驚くばかりです。賞の名に恥じぬようこれからも初心を忘れずに、先生方・先輩方にご指導いただきながら、より一層稽古に励んでいく所存です。また今後は、若い世代をはじめ、より多くの方々に能の魅力を伝えられますよう、様々な取り組みをしていきたいと考えております。同世代の仲間たちと切磋琢磨しながら、能楽界の明るい未来のため日々精進していきたいと思います。

 

【 古典の日文化基金賞顕彰委員会 会長特別表彰 】

◆公益財団法人冷泉家時雨亭文庫

歌の道の家の精髄800年 今に生きる古今伝授
藤原定家自筆古今和歌集注釈書「顕注密勘」発見。

 今年4月18日、冷泉家時雨亭文庫は藤原定家の自筆古今和歌集注釈書「顕注密勘」が発見されたと発表した。同文庫が800年以上守り続けてきた平安時代以来の数万点におよぶ史料は、まさに、京都の宝であり、日本の宝である。古典の日文化基金顕彰委員会はこの世紀の発見を機に、永年にわたって和歌文化の保存、実践、研究に尽くしてきた冷泉家時雨亭文庫に深い敬意を表し、会長特別表彰を贈って、今後共の益々の活動と発展を祈念したい。

 

~ 観 覧 募 集 ~

1:日 時
  令和6年9月3日(火)13時~15時45分(開場12時)

2:会 場
  京都コンサートホールアンサンブルホールムラタ(京都市左京区下鴨半木町1-26)

3:定 員
  500名(事前申込制・座席指定・応募多数の場合は抽選)

4:入場料
  無料

5:内 容
 ◆テーマ曲「古典の日燦讃」と「古典の日宣言」
  演奏:大谷祥子と六条山楽坊
  宣言:西川怜那(東海大学付属静岡翔洋高等学校2年生
          第15回古典の日朗読コンテスト【中学・高校生部門】大賞)
 ◆おことば
  彬子女王殿下(古典の日文化基金賞顕彰委員会名誉総裁)
 ◆授賞式
 ◆落語
  桂吉坊(落語家/第3回[伝統芸能・音楽]分野受賞)
 ◆英詩「THE CITY THAT SILK BUILT」
  クリス・モズデル(詩人・作詞家/第3回[文学・思想]分野受賞)
 ◆朗読「文車日記」より
  檀ふみ(俳優/古典の日文化基金賞選考員会委員)

  ※プログラムは予告なしに変更する場合がございます

桂吉坊 クリス・モズデル 檀ふみ


6:募集要項

 【募集期間】 令和6年6月26日(水)~令和6年7月30日(火)必着
 【応募方法】 申し込みフォームまたは郵便往復はがきで申し込み
        ※1通につき2名まで応募可

■抽選結果の通知については、8月中旬を予定しております。
 往復はがきからの応募:当選の方は、「入場券」(返信はがき)にて通知します。当日必ずご持参ください。
            落選の方は返信はがきにて通知します。
 Webからの応募:当選の方は、後日「入場券」を送付します。
          落選の方は、メールにて通知しますので、申し込み時に、受付完了メールが届かない場合はご連絡ください。
 ※1名様でご応募の場合、2名様での入場はできません。
 ※2名様でのお申し込みの場合、受付は2名揃われてからになります。
■当日は、入場券と本人確認ができる公的証明書(運転免許証、パスポート、健康保険証等、氏名、住所が
 記載された公的機関等が発行したもの、コピー可)が必要となります。ご同伴者の方も必要です。
 応募時の登録と違う氏名の方、公的証明書が無い方は、入場できません。
■応募登録された方のみの入場となります。当選後に変更はできません。
■申し込み時にご記入いただいた個人情報につきましては、古典の日文化基金賞顕彰委員会からの各種連絡の
 目的にのみ使用します。
◆次の場合は応募が無効となりますので、ご注意ください。◆
・Web、郵便往復はがき以外での応募  ・記入漏れ、記入不備
・1通につき、3名以上の応募       ・応募締切日を過ぎたもの 

第4回文化基金賞授賞式ちらし(PDF形式)

※迷惑メール防止のための受信設定をされている場合は、以下のメールアドレスからの受信が出来るよう設定してからお申し込みください。申し込み完了通知 postman@formzu.com 当落通知 kotennohi@hellokcb.or.jp
※携帯電話のアドレスは、ご使用にならないでください。こちらからのメールがエラーで届かない場合があります。

<往復はがき記入例>
記入例を参考に、必要事項を黒のボールペン等ではっきりとご記入ください。
(字が消せるタイプの筆記具はご使用にならないでください。)

※画像をクリックすると拡大表示できます。

●往復はがきの記入事項
 【往信用の表】
  〒600-8009 下京区四条通室町東入 京都経済センター3階
  (公財)京都文化交流コンベンションビューロー内
   古典の日文化基金賞 係
 【返信用の裏】
  抽選結果を印刷しますので、何も記入しないでください。
 【往信用の表】
  ご自身(応募者)の住所とお名前
 【返信用の裏】
  ①催し名 授賞式
  ②参加希望人数(2名まで)
  ③応募者の氏名(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号
  ④同伴者の氏名(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号
  *1名の場合、④は不要

第3回古典の日文化基金賞授賞式

 

こちらの募集は終了いたしました。沢山のご応募ありがとうございました。

第3回「古典の日文化基金賞」授賞式


 11月1日が「古典の日」に制定されたことを記念し、彬子女王殿下を名誉総裁に推戴して、古典文化の研究・普及・啓発活動に貢献した個人、法人、団体を顕彰する「古典の日文化基金賞」が創設され、今年、第3回の授賞式を迎えます。
 『源氏物語』や『枕草子』だけが古典ではありません。北海道に「ユーカラ」があり、沖縄に「組踊」があるように、地域の風土と歴史に根差した伝統芸能、文学、工芸、祭事など多彩で豊かな古典文化が全国に存在します。「古典の日文化基金賞」は親しみやすい古典の在り方を目指して全国各地で活躍する皆さんを応援します。
 この度、国内外からの多数の候補者の中から、[ 文学・思想 ][ 伝統芸能・音楽 ][ 美術・生活文化 ]3つの分野の他、次世代の日本文化を担う若者達の古典文化活動を励まし顕彰する特別賞「古典の日文化基金未来賞」を決定いたしました。

~ 受賞者の決定に際して ~

村田純一 古典の日文化基金賞顕彰委員会会長

 第3回となる古典の日文化基金賞、国内外の候補者151件の中から、候補者情報調査会、選考委員会の先生方の厳正な審議により、この賞らしさが出たすばらしい受賞者が選ばれました。誠におめでとうございます。それぞれの受賞者の皆さんは「親しみやすい古典のあり方」を目指すこの賞の理念を体現した優れた活動をされました。今後とも、この賞が古典の「研究」「普及」「啓発」に取り組む人たちの励みとなり、次世代を担う若者たちが誇りをもって日本の古典文化を継承してゆくことを願っています。

~  受  賞  者  ~

【文学・思想】

◆クリス・モズデル(詩人・作詞家)

この宮廷社会において欠くことのできないことは、和歌を詠むことであった。
社交の場、恋人との秘密の約束など、おそらくこの時代は、常に何百もの詩が都を飛び交って
いたに違いない。                クリス・モズデル著『密詩集「絹の都』より

 イギリス出身の詩人・作詞家。坂本龍一、マイケル・ジャクソン、ボーイ・ジョージらのアーティスト、またガンダム、カウボーイビバップなどのアニメのサウンドトラックにも詞を提供している。
 日本の文化、とりわけ古典と平安京、伝統に培われた生活様式と風土を愛し、京都にも生活の拠点を持ち、民家を数寄屋風に「住みなし」ている。千年の時を超えて和泉式部ら平安の歌人の感性を自らのものとし、鴨川の飛び石を、池の鯉を、龍頭瓦や桃瓦、畳など暮らしに根ざした職人の手わざも詩作のテーマとして取り上げている。「古典の日宣言」に謳われた「古典とは風土と歴史に根ざしながら、時と所をこえた人間の叡智の結晶」の深い理解者であり、世界への伝道者である。
受賞を受けて
 なんという光栄なことでしょう、私の人生のほぼすべてにおいて崇拝し、この身を捧げ続けてきたこの国の古典文学を冠する賞をいただくということは。イエロー・マジック・オーケストラをはじめとする音楽家たちへの詞作から始まり、惹かれ続けた末に重ねられた幾度もの文化的探求に至るまで、日本は、私にとって、インスピレーションの宝庫であり続けてきました。私は、脈々と受け継がれてきた見事な歴史に光を与えられ、日本が自ずから求める心 / 表現の独特なあり方に我が身を満たされ続けてきたのです。この国こそが、詩人たちの国であり、美の聖地であり、一千年前に はその洗練された社会様式として使者たちが詩歌に想いを託していた大八洲国-私がその一員とされることが定められていた国だったのだと確信しています。望むらくは、私自身もまた、愛すべきこの国の古典の根をなしてきたものを、その影の数々を未来に手渡すことのできる使者の一人となれますことを。ありがとうございました。ご理解に、心よりの御礼を申し上げたいと思います。

 

【伝統芸能・音楽】

◆桂吉坊(落語家)

中学生の時に落語家になりたいと思い、親の反対を押し切って高校在学中に入門、
それから20年 今や落語だけでなく古典芸能の若き伝道師

 1999年、桂吉朝に入門。桂米朝の内弟子として修業。
 『桂吉坊がきく藝』の出版で、芸能の世界の重鎮に堂々インタビューし、若くして古典芸能の世界の魅力を発信する。「吉坊の会」を主催し、単なる独演会ではなく、あまり有名ではないが受け継いでゆきたい演目に挑戦するとともに、落語の中に出てくる伝統芸能を取り上げて、その芸能者を舞台に招き披露する他、舞楽、能、日本舞踊などの伝統芸能の公演にナビゲーターとして司会進行を務め、わかりやすい解説が好評で、落語以外の伝統芸能の理解を深める役割を果たしている。若手の伝統芸能関係者、例えば木ノ下裕一さんや井上安寿子さん等との交流も深く、上方落語会のホープとして今後も期待される存在である。
受賞を受けて
 この度「古典の日文化基金賞」を賜る栄誉に与り、只管恐縮しております。
世の中に賞は数々ございます。自らエントリーし、賞レースを戦い勝ち取るという賞もありますが、常々の高座、また落語家として、多様な文化芸能の方々のお話を伺い、ご案内役としてお手伝いをさせていただきます舞台を、こうして評価していただき大変光栄に存じます。

 そして、僕のような人間を、やりたいように、学びたいように学ばせてくれた、亡くなりました師匠の吉朝をはじめ大師匠の米朝、周りの皆様方が導いてくださっている事に改めて感謝いたしますとともに、今後もより一層の精進を重ねてまいります。

 

【美術・生活】

◆木桶職人復活プロジェクト

おけへの愛が止まらない
子や孫の世代に木桶仕込みの本物の味を残し伝えます。

 ユネスコ無形文化遺産に登録された日本の和食。
 その和食のベースとなる「醤油」「味噌」「酢」「味醂」「酒」などの発酵調味料は、江戸時代まで「木桶」で製造されていた。しかし、コスト高のため主にプラスティック製などのタンクに代わり、醸造用の木桶を製造する桶屋は、現在、全国で1軒のみとなった。乳酸菌や酵母菌など「微生物たちの力を最大限発揮させる揺りかご」となる木桶。吉野杉の木桶の寿命は100年から150年。このままでは木桶は絶滅し、日本の大事な伝統文化が途絶えてしまう。
 2012年、子孫に木桶と伝統の味を伝承するため、企業や業界の枠を越えて集まり小豆島で立ち上がった「木桶職人復活プロジェクト」、いま全国的な広がりを見せている。
受賞を受けて
 古典の日文化基金賞を受賞したことに深い感謝と喜びを感じています。我々の11年に渡るプロジェクトの努力と情熱が認められたこと、非常に光栄です。最初は数人からスタートした木桶職人復活プロジェクトですが、醤油をはじめとする発酵食品の蔵元、流通、小売、料理人、飲食店などの多くの食に携わる方々に支えられてきました。また、木桶製作にチャレンジした職人の方々も一緒に技術を習得しながらブラッシュアップし、木桶製作の技術については未来への目途もつきました。これからは子や孫の世代に残し伝えるための仕組みを構築します。最後に、古典の日文化基金に心から感謝を申し上げます。今後も古典文化の継承と発展に貢献するために、この受賞を励みに一層の努力を重ねていきたいと思います。ありがとうございました。

 

【 未 来 賞 】

◆こまつ歌舞伎未来塾

歌舞伎のまちの伝統と誇りを学ぶっ!!
歌舞伎のまち小松に息づく伝統芸能 歌舞伎・能楽・義太夫・邦楽舞踊
「こまつ歌舞伎未来塾」はふるさと小松の未来を担う子どもたちを応援します。

 「勧進帳」の舞台である安宅の関を擁する小松市は、古くから能や歌舞伎などの伝統芸能が盛んな地であり、市民は祭礼やイベントなどにおいて伝統芸能に触れ、親しんでいる。
 「こまつ歌舞伎未来塾」は、平成22年に創設され、「こまつ歌舞伎教室」「こまつ能楽教室」「義太夫語りの会」「こまつ邦楽舞踊教室」の4教室がある。各教室においては幅広い年代の生徒たちが研鑽を積み、市内外においてその成果を披露しており、日々稽古に励んでいる。
受賞を受けて
 この度は、「古典の日文化基金未来賞」を受賞させていただき、心から御礼申し上げます。このような名誉ある賞をいただいたことは感謝の念に堪えません。
 こまつ歌舞伎未来塾は、こまつ能楽教室・義太夫語りの会・こまつ邦楽舞踊教室・こまつ歌舞伎教室の4教室で活動を行っております。生徒の皆さんは、5月や11月の発表会などに出演しています。
 本年は石川県では31年ぶりの開催となる、国民文化祭「いしかわ百万石文化祭2023」が開催され、「歌舞伎のまち小松」が更に盛り上がることと思います。
 これからも小松の歌舞伎文化の伝統を受け継ぐ子どもたちや市民の皆様を応援し、「歌舞伎のまち小松」を支える人材の育成を行って参りたいと思います。

 

◆京都府立嵯峨野高等学校 京・平安文化論ラボ

『源氏物語』の魅力を発信!!
高校生が考える「古典に親しむには?」
学校での課題探究から、地域社会と連携した活動へ発展させ、取り組む。

 嵯峨野高等学校では、アカデミックラボという科目がある。生徒それぞれが興味・関心のあるラボに所属し、テーマ設定から実施計画までフィールドワークも含めた研究活動に主体的に取り組んでいる。「京・平安文化論ラボ」では、世界を代表する日本古典『源氏物語』にフォーカスし、市民が気軽に参加できる「ちゅう源氏と巡る 源氏物語 京都スタンプラリー」を企画・運営し、6年目を迎えた。京都という地域社会に飛び出しての活動は、企業などの協賛を得るまでに発展した。また、2023年には「源氏物語を味覚と視覚で楽しんでもらう」ため、新たに地元の老舗菓子店の協力を得て、お干菓子「恋縁(こひゆかり)」を製作販売する等、「地域社会」に溶け込んだ古典文化活動を積極的に続けている。
受賞を受けて
 このたび「古典の日文化基金未来賞」を頂戴し、感激しております。先輩から代々受け継ぎ発展させてきた探究活動について、努力を重ねて参りましたことを表彰していただき、心より感謝いたします。
 私たちの企画の中でも「ちゅう源氏と巡る 源氏物語 京都スタンプラリー」は若者の古典離れをくいとめることを目的としており、毎年多くの方々にご参加いただいています。
 『源氏物語』を読み進めていく中で私たちが感じたこと。それは、平安時代の人々と現代の人々は似ているということです。貴族の恋愛が物語の軸にありながら、登場人物が抱く苦悩や喜びの感情は、令和を生きる私たちにも通じるものがありました。この魅力を、今後も若い世代へ発信し続けていきたいと思います。本当にありがとうございました。

 

◆宮古市津軽石中学校 文化祭郷土芸能獅子舞グループ

流された獅子舞は私たちが引き継ぐ!!
2011年、宮古市津軽石法の脇地区を襲った東日本大震災。津波で壊滅的な打撃を受けた
古里の獅子舞をいち早く復活させたのは地域の中学生だった。

 津波は宮古市津軽石法の脇地区の全てを押し流し、村に150年伝わった郷土芸能獅子舞の頭や衣装、太鼓などが失われた。そのうちの数点が津軽石川の川岸にひっかかっているのが発見保存された。そのわずかな手がかりから、獅子舞復活に立ち上がったのは津軽石中学校の生徒たちだった。
 生徒たちは生活の復旧に追われる大人たちを励まし、震災翌年の2012年、避難生活を送る法の脇の人たちに教わった獅子舞を秋の文化祭で舞い踊った。津波で住めなくなった法の脇地区。生徒たちは「法の脇獅子舞保存会」の主要なメンバーとして、生まれ育った古里の獅子舞を残し、伝えていきたいと稽古に励んでいる。
受賞を受けて
 このたびは、本校で行っている芸能活動「法の脇獅子舞」に、「古典の日文化基金未来賞」という栄誉ある賞を賜り、誠にありがとうございます。本校では長年、生徒が保存会の方々の指導のもとで練習し、文化祭で郷土芸能を発表してきましたが、東日本大震災により鹿頭や衣装が流され、練習場所も破壊され、震災後は活動がストップしてしまいました。そのような状況の中、本校の生徒が「楽しみしてくれている地域の方のために、後輩たちのために、なんとか復活させたい」という思いから、鹿頭や衣装を一から作り、心をひとつに練習を重ね守り抜いてきた芸能です。先輩たちの思いを大切に、これからも「法の脇獅子舞」を多くの方々に知ってもらい、未来に伝えていきたいと考えています。

~ 募 集 ~

1:日 時
  令和5年9月3日(日)13時~15時30分(開場12時)

2:会 場
  京都コンサートホールアンサンブルホールムラタ(京都市左京区下鴨半木町1-26)

3:定 員
  510名程度(事前申込制・座席指定・応募多数の場合は抽選)

4:入場料
  無料

5:内 容
 ◆テーマ曲「古典の日燦讃」と「古典の日宣言」
  演奏:大谷祥子と六条院楽坊
  宣言:光宗太乙愛(済美平成中等教育学校5年生)
 ◆授賞式
 ◆古典の日宣言15周年記念パネルトーク「古典 それは未来への遺産」
  彬子女王殿下(古典の日文化基金賞顕彰委員会名誉総裁)
  村田純一(古典の日文化基金賞顕彰委員会会長)
  小林一彦(京都産業大学日本文化研究所所長、古典の日文化基金賞候補者情報調査会委員)
  クリストフ・マルケ(日本美術史家、フランス国立極東学院京都支部代表、第2回古典の日文化基金賞[美術・生活文化]受賞)
  コーディネーター 山本壯太(古典の日文化基金賞候補者情報調査会座長)
  ※プログラムは予告なしに変更する場合がございます

6:募集要項
 【募集期間】 令和5年6月26日(月)~令和5年8月10日(木)必着
                     ※申込み期日を延長いたしました。
 【応募方法】 申し込みフォームまたは郵便往復はがきで申し込み
        ※1通につき2名まで応募可

■抽選結果の通知については、8月中旬を予定しております。
 往復はがきからの応募:当選の方は、「入場券」(返信はがき)にて通知します。当日必ずご持参ください。
            落選の方は返信はがきにて通知します。
 Webからの応募:メールでご案内の上、後日「入場券」を送付します。申し込み時に、受付完了メールが
          届かない場合はご連絡ください。当落通知のメールが届きません。
 ※1名様でご応募の場合、2名様での入場はできません。
 ※2名様でのお申し込みの場合、受付は2名揃われてからになります。
■当日は、入場券と本人確認ができる公的証明書(運転免許証、パスポート、健康保険証等、氏名、住所が
 記載された公的機関等が発行したもの、コピー可)が必要となります。ご同伴者の方も必要です。
 応募時の登録と違う氏名の方、公的証明書が無い方は、入場できません。
■応募登録された方のみの入場となります。当選後に変更はできません。
■申し込み時にご記入いただいた個人情報につきましては、古典の日文化基金賞顕彰委員会からの各種連絡の
 目的にのみ使用します。
◆次の場合は応募が無効となりますので、ご注意ください。◆
・Web、郵便往復はがき以外での応募 ・記入漏れ、記入不備 ・重複応募(Webとはがきの重複も含む)
・1通につき、3名以上の応募 ・応募締切日を過ぎたもの ・応募イベントが不明なもの

第3回文化基金賞授賞式ちらし(PDF形式)

※迷惑メール防止のための受信設定をされている場合は、以下のメールアドレスからの受信が出来るよう設定してからお申し込みください。申し込み完了通知 postman@formzu.com 当落通知 kotennohi@hellokcb.or.jp
※携帯電話のアドレスは、ご使用にならないでください。こちらからのメールがエラーで届かない場合があります。

<往復はがき記入例>
記入例を参考に、必要事項を黒のボールペン等ではっきりとご記入ください。
(字が消せるタイプの筆記具はご使用にならないでください。)

※画像をクリックすると拡大表示できます。

●往復はがきの記入事項
 【往信用の表】
  〒600-8009 下京区四条通室町東入 京都経済センター3階
  (公財)京都文化交流コンベンションビューロー内
   古典の日文化基金賞 係
 【返信用の裏】
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  *1名の場合、④は不要

第2回古典の日文化基金賞授賞式

 

こちらの募集は終了いたしました。沢山のご応募ありがとうございました。

第2回「古典の日文化基金賞」授賞式

第2回「古典の日文化基金賞」授賞式の観覧者募集


 日本の古典文化の研究・普及・啓発活動に貢献した方々を顕彰する「古典の日文化基金賞」の第2回授賞式を9月2日(金)に開催する運びとなりました。
 第2回となる今年、3分野に加え、第1回の「芳賀徹記念・古典の日宣言特別賞」の理念と志を継承発展させ、次世代の日本文化を担う若者たちの古典文化活動を励まし顕彰する「未来賞」を新設いたしました。また、「古典の日に関する法律」制定10周年を記念して会長特別表彰を設けました。

受賞者の決定に際して

村田純一 古典の日文化基金賞顕彰委員会会長

 「この度、候補者情報調査会、選考委員会の先生方の厳正な審議により、第1回に引き続きすばらしい受賞者が選ばれました。第1回古典の日文化基金賞授賞式を成功裡に終えてから、顕彰委員、選考委員の皆様から貴重なご意見をいただき、古典文化活動に励む次世代の若者達を励ます「古典の日文化基金未来賞」を新設しました。
 この度の受賞者の皆様には誠におめでとうございます。皆さんは「親しみやすい古典のあり方」を目指すこの賞の理念を体現した優れた活動をされました。今後とも、この賞が古典の「研究」「普及」「啓発」に取り組む人たちの励みとなり、次世代を担う若者たちが誇りをもって祖国の文化を継承してゆくことを願っています。

【 受  賞  者 】

【文学・思想】
共同受賞

◆特定非営利活動法人知里森舎
 アイヌの叙事詩ユーカラを記録した『アイヌ神謡集』を著し、19歳で夭折した知里幸恵を顕彰し、機関誌の発行、ゆかりの地の探訪会、講演会などを主催してアイヌ伝統文化の継承発信に貢献し、平成22年には、民間の寄付金により「知里幸恵 銀のしずく記念館」を開設した。
 『アイヌ神謡集』は、アイヌ伝統文化の復権復活に大きな転機をもたらしたことで知られ、その後のアイヌ文化研究の礎であり、序文の「言葉の存続は民族の存続そのもの」であるという知里幸恵の思いは、100年後の今も生き続けている。
受賞を受けて
 この度は、「古典の日文化基金賞」の栄誉に預かり、心より御礼申し上げます。私たち知里森舎は、特定非営利活動法人として、北海道登別市に生まれたアイヌの少女、知里幸恵の業績を紹介する活動をしています。幸恵は、アイヌで初めてアイヌの物語を文字化した『アイヌ神謡集』の著者として知られています。知里幸恵没後100年という節目の年にこのような賞をいただけて大変光栄です。また、来年2023年は 知里幸恵生誕120年、『神謡集』刊行100年に当たる年なので、スタッフ一同、アイヌ文化全般に関心を持つきっかけづくりになるような活動に取り組んでいるところです。この受賞をきっかけにさらに皆さんに知里幸恵のことを知っていただけたら幸いです。

 

◆一般社団法人札幌大学ウレパクラブ
 「育てあう」というアイヌ語「ウレパ」を冠して、2010年の結成以来、アイヌ伝統文化の伝承発信だけでなく、北海道の各地をめぐっての聞き取りや記録映像などを活用した伝承古謡の復元などに積極的に取り組んできた。
 アイヌの若者たちのこれからを支える「ウレパ奨学生制度」を運用するなど、ともに育てあうという団体設立の意を体し、地域と一体となった活動を今後とも続けていただきたい。
受賞を受けて
 このたびは、栄誉ある賞を頂戴し大変感激しております。しかも知里幸恵さんを顕彰し、その功績を社会に発信されてきた知里森舎さんとの共同受賞ということを、なにより誇らしく思います。今年没後100年を迎えられた幸恵さんは『アイヌ神謡集』序文で次のように述べられました。「二人三人でも強いものが出て来たら、進みゆく世と歩をならべる日も、やがては来ましょう」。私たち札幌大学ウレパクラブは今回の受賞を機に、幸恵さんの思いを受け継ぐとともに、新たな時代を拓くために一層努力することをお誓いしたいと思います。本当にありがとうございました。

 

【伝統芸能・音楽】

◆淡路人形座
 戦後存続の危機にあった淡路人形芝居を守り育て、常設館での興行のほか、国内海外での公演、ワークショップでの子供達や後継者団体への指導、全国の人形芝居保存協会への協力など人形浄瑠璃の普及発展に努めてきた。
 2021年、郷土出身のアーティスト清川あさみを起用して、視覚的な仕掛けを配した新作「戎舞+」を上演。伝統芸能に新たな魅力を加える意欲的な試みに今後とも期待したい。
受賞を受けて
 このたび、淡路人形座が栄えある「古典の日文化基金賞(伝統芸能・音楽分野)」受賞の栄誉に浴しましたことは、至上の喜びであります。室町末期、神事芸能としての人形操りが淡路島に伝わり、三社神楽(さんじゃかぐら)の式を宮中に奉演して、正親町天皇から「綸旨」を賜り、従四位下に叙せられたのが、淡路人形の元祖・引田源之丞でした。三業が結びついて人形浄瑠璃となるや、江戸中期から昭和にかけて、京大坂で作られた作品をもって島内各座が全国巡業し、結果各地に人形浄瑠璃が根付きました。その保存会への協力や後継者指導等の活動が評価されうれしく存じます。この受賞を励みとして、淡路人形浄瑠璃の普及・振興に一層邁進していく所存であります。

 

【美術・生活】

◆クリストフ・マルケ Christophe Marquet
(日本美術史家・フランス国立極東学院教授・京都大学人文科学研究所特任教授)
 フランス国立東洋言語文化大学日本学部長、日仏会館日本研究センター所長、フランス国立極東学院学院長などを歴任し、江戸・明治の絵画を中心に日本の伝統美術を広く欧米各国に紹介してきた。 近年は日本でも忘れかけてきた大津絵の魅力を再発見し、日仏での紹介図書の出版、展覧会企画や内外の博物館・美術館で散逸した大津絵を調査研究し数百点の作品の存在を確認するなど、日本の伝統文化の世界への懸け橋として貢献した。
受賞を受けて
 この度、古典の日文化基金賞を受賞させて頂き、誠に光栄に思います。33年前の博士課程の時に東京大学に留学して以来、教育、研究、出版、展覧会を通して日本美術の素晴らしさをフランスに伝えるために、地道に努力を重ねてまいりましたことを表彰して頂き、心より感謝いたします。恩師である故ジャン=ジャック・オリガス先生をはじめ、東大で受け入れ教官として大変お世話になりました高階秀爾先生、また日々、多くのことを教わりました日本の研究者の方々に心より御礼を申し上げます。この賞によって、作り手の名前さえ知られていない、江戸時代の代表的な民画である大津絵が、日本の古典文化の一側面として認められるようになったことを嬉しく思います。

 

【 未 来 賞 】

◆宇治っ子朗読劇団☆Genji
 「古典の日に関する法律」の制定を記念して、宇治市文化センターにおいて『宇治十帖』の舞台である宇治市の小中学生・高校生により結成された。日本の誇りであり日本を代表する古典『源氏物語』を平安装束に身を包み役柄を分担して演じる朗読劇で、「定例公演」や「kyoto演劇フェスティバル」など市内外のイベントで練習成果を発表し、広く市民に親しまれている。
 これからも次世代の子供たちに楽しく古典の魅力を伝えていって欲しい。
受賞を受けて
 このたびは「古典の日文化基金未来賞」の栄えある第1回授賞に私たち「宇治っ子朗読劇団☆Genji」の活動をご選考いただきありがとうございます。朗読劇団結成10周年を迎えた節目の年に、このような素晴らしい賞を頂くことができ、こんなに嬉しいことはありません。
 私たちは、劇団名にもあるように「源氏物語」の最後の十帖の舞台になっている宇治の小中学生・高校生が集まって宇治市文化センターで活動していますが、活動を通じて平安貴族の煌びやかな生活や感情に思いをはせ、宇治川の水音に「浮舟」の心境を重ねています。これからも私たちの活動を多くの人に発信し、「源氏物語」を未来へ伝えていきたいと思っています。

 

◆京都府立鳥羽高等学校披講研究部
 冷泉流歌道の指導をうけ、作法に則って詠まれた和歌を、宮廷衣装を身に着けて古式ゆかしく唱和する「披講」を学校内外で披露するなど、日本古来の伝統美である和歌を体現継承している。
 「全国高校生伝統文化フェスティバル」へ出演するなど、活動は広く認知されており、今後とも日本の古典文化を正しく理解し、次世代に継承する活動を期待する。
受賞を受けて
 披講研究部では、和歌を通して伝統文化に触れるというなかなか経験できないことをしています。練習では、始めはうまく息が合わないのですが、回を重ねるごとに声の重なりが美しくなり、和歌の響きを楽しむことができます。歌会では、鑑賞している方々に歌会の間だけは宮廷にいるかのように感じていただくために、厳かな雰囲気を崩さないよう意識して取り組んできました。披講研究部で、和歌を通して様々な人と心から繋がることができたことを嬉しく思うとともに、この度、このような賞を受賞させていただいたことを大変光栄に思います。これからも伝統文化を繋いでいく一員として練習に励みたいと思います。

 

◆津屋崎臨海学校実行委員会
 福岡教育大学の学生を中心に1993年の発足以来30年、風光明媚な津屋崎海岸で、小学生を対象に臨海学校を開き、体験学習の感動を短歌に表現する活動を続けてきた。「豊かな言葉は豊かな心を育む」をモットーに 企画からすべてを大学生で運営。
 この2年は、コロナ禍のため予定を短縮するなどの対応に追われたが、次世代を担う子供たちの豊かな心を日本の伝統文化によって育もうと取り組む活動を応援したい。
受賞を受けて
 この度は、「古典の日文化基金賞未来賞」という栄えある賞を賜り誠にありがとうございます。
津屋崎臨海学校実行委員会は、企画、運営から全て学生主導で行っており平成5年の開始以来今年で30年を迎えます。そのような津屋崎臨海学校の節目の年にこの栄ある賞を頂けたことをとても光栄に思います。

 これからも和歌創作を通して子供たちに昔から日本が大切にしてきた心を伝え、また豊かな心を育んでいくことに尽力して参ります。そして企画、運営を行う私達学生自身もこれからより和歌、日本の歴史というものに親しみ、学びを深めていくことに励んでまいります。この度は誠にありがとうございました。

 

【古典の日制定10周年記念会長特別表彰】

◆東儀秀樹・東儀典親
 宮内庁雅楽部を退任ののち、雅楽師として、雅楽を国民のだれもが親しみやすい音楽として広めた功績者であり、日本人の心のよりどころとしての古典を次世代の若者に熱く語る「古典の伝道師」ともいえる活動を子息典親氏と共に工夫され、「古典の日」の推進にも大いに寄与されました。
 親子による伝統文化継承実践者のお二人に、古典の日制定10周年を記念して…。
受賞を受けて
 以前「雅楽の世界は東儀秀樹前か東儀秀樹後で語ることができる」と、ある研究者が言っていたのを耳にしたことがあります。とてもおこがましいとは思いますが、自覚もあるのです。世界に誇れるものであるのにあまりに知られていない雅楽をなんとか知らせたいと、誰もしなかったさまざまな手段でチャレンジしてきました。すればするほど世の中が動いて変わっていく実感とともにある道でした。だからこそその表現や挑戦には責任と誇りを感じ続けることができました。今では次の世代と言える息子も同じように取り組み始めています。この実感が自分のものだけとしてでなく、伝統文化を想う皆様とさらに広く共有できる喜びは大きなものです。
 まだまだ世の中の状況に満足できていませんが、このような賞をいただいたことがさらなる多くの方々の興味や向上心への刺激となり、より一層文化への貢献ができれば幸いです。

 

~ 募 集 要 項 ~

こちらの募集は終了いたしました。沢山のご応募ありがとうございました。

日  時:令和4年9月2日(金)13時~15時30分(受付12時~)
    ※授賞式は9月3日(土)に開催するとお知らせしていたところですが、諸般の事情により日程を
     変更させていただくことになりました。
会  場京都コンサートホールアンサンブルホールムラタ(京都市左京区下鴨半木町1-26)
内  容
 ◆テーマ曲「古典の日燦讃」と「古典の日宣言」
  演奏:大谷祥子と六条院楽坊
     大谷祥子(箏)藤林由里(ピアノ)平山美萌(バイオリン)
     徳安芽里(チェロ)饗庭凱山(尺八)祝丸(太鼓・鳴り物)
  宣言:宇治っ子朗読劇団員
 ◆おことば
  彬子女王殿下(古典の日文化基金賞顕彰員会 名誉総裁)
 ◆授賞式
 ◆講演「つなぐ」
  井上八千代(京舞井上流五世家元・古典の日文化基金賞顕彰委員会委員)
  聞き手:葛西聖司(古典芸能解説者・選考委員会委員)

【入場料】  無料(事前申込制・座席指定)
【募集定員】 510名
       ※新型コロナウイルスの状況により、入場者数を制限することがあります。
【募集期間】 令和4年7月1日(金)~令和4年7月29日(金)必着
       お席に若干の余裕がありますので、Webのみ受付を延長しています。
【応募方法】 申し込みフォームまたは郵便往復はがきで申し込み
       ※1通につき2名まで応募可

■抽選結果の通知については、8月中旬を予定しております。
 往復はがきからの応募:落選の方は返信はがきにて通知。
            当選の方は、「入場券」(返信はがき)にて通知。当日必ずご持参ください。
 Webからの応募:メールでご案内の上、後日「入場券」を送付します。申し込み時に、受付完了メールが
          届かない場合はご連絡ください。当落通知のメールが届きません。
※1名様でご応募の場合、2名様での入場はできません。
■当日は、入場券と本人確認ができる公的証明書(運転免許証、パスポート、健康保険証等、氏名、住所が
 記載された公的機関等が発行したもの、コピー可)が必要となります。ご同伴者の方も必要です。
 応募時の登録と違う氏名の方、公的証明書が無い方は、入場できません。
■応募登録された方のみの入場となります。当選後に変更はできません。
■2名でのお申し込みの場合、受付は2名揃われてからになります。
■申し込み時にご記入いただいた個人情報につきましては、古典の日文化基金賞顕彰委員会からの各種連絡の
 目的にのみ使用します。
◆次の場合は応募が無効となりますので、ご注意ください。◆
・Web、郵便往復はがき以外での応募 ・記入漏れ、記入不備    ・重複応募(Webとはがきの重複も含む)
・1通につき、3名以上の応募      ・応募締切日を過ぎたもの  ・応募イベントが不明なもの

●コロナウイルス感染予防対策●
・入場前の検温、手指のアルコール消毒・マスク着用にご協力ください。
・発熱、咳などの症状がある場合は、ご来場をお控え戴きますようお願い致します。
・受付時における混雑回避のため、指定の時間内にご来場いただくなど、入場規制を適宜させていただく場合がございます。
・今後の状況によっては、内容の変更や中止とさせて頂く場合がございます。

 

第2回文化基金賞授賞式ちらし(PDF形式)

~ 応 募 ~

※迷惑メール防止のための受信設定をされている場合は、以下のメールアドレスからの受信が出来るよう設定してからお申し込みください。申し込み完了通知 postman@formzu.com 当落通知 kotennohi@hellokcb.or.jp

<往復はがき記入例>
記入例を参考に、必要事項を黒のボールペン等ではっきりとご記入ください。
(字が消せるタイプの筆記具はご使用にならないでください。)

※画像をクリックすると拡大表示できます。

●往復はがきの記入事項
 【往信用の表】
  〒600-8009 下京区四条通室町東入 京都経済センター3階
  (公財)京都文化交流コンベンションビューロー内
   古典の日文化基金賞 係
 【返信用の裏】
  抽選結果を印刷しますので、何も記入しないでください。
 【往信用の表】
  ご自身(応募者)の住所とお名前
 【返信用の裏】
  ①催し名 ・授賞式
  ②参加希望人数(2名まで)
  ③応募者の氏名(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号
  ④同伴者の氏名(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号
  *1名の場合、④は不要

第1回古典の日文化基金賞の受賞者を発表いたします!