理事長挨拶
平素より格別の御支援・御協力をいただき、厚く御礼申し上げます。
当法人は、平成23年10月に公益財団法人へ移行しました。新生ビューローといたしましては、京都が「平安建都1300年」への歩みを力強く進めていくため、京都文化を広く世界に発信し、国際的な交流拠点としての魅力をより一層高め、活力あふれる新たな京都の創造に寄与することを目的に、京都の文化・芸術等を普及啓発する事業の推進と府内外へ情報を発信する「文化交流発信事業」と、コンベンション等の誘致及び賓客・海外観光客の招聘、入洛を促すための「国際観光コンベンション事業」の二つを公益目的事業の柱として取り組んでいるところであります。今後とも「京都」の発展に貢献して参りますので、引き続き皆様の御理解と御支援をお願いいたします。
平成25年4月1日
公益財団法人 京都文化交流
コンベンションビューロー
理事長/村田純一
組織概要
設立目的
文化芸術の普及向上と、国内外のコンベンション誘致および賓客等の入洛、加えて国際観光客の誘致を推進することにより、京都文化を広く世界に発信し、国際的な交流拠点としての京都の魅力をいっそう高めていくことを目的として設置。
主な事業内容
- 文化発信事業
~京都の文化・芸術の普及向上、及び国内外への発信に関する事業~- 法制化された「古典の日」(11月1日)の普及活動(推進フォーラム、各種イベントの開催)
- 京都創生推進フォーラム事業(フォーラム、セミナーの開催)
- 「世界の京都」、「建都1300年」への歩みを進めていくための調査研究
- 京都迎賓館の支援事業(外国賓客のもてなし、参観支援、啓発関連事業)
- 国際観光プロモーション事業
~国際観光客の誘致推進、そのための広報宣伝に関する事業~- インバウンド事業(海外情報拠点運営事業、プロモーション事業、海外向けウェブサイトの運営など)
- コンベンション(MICE)サポート事業
~コンベンションの誘致推進、及び受入体制の整備促進に関する事業~- MICE事業(プロモーション事業、開催支援事業、広報宣伝事業)
- MICE関連情報の調査・収集・検討
設立年月日
平成19年1月9日
理事長及び副理事長
理事長 | 村田 純一 | 京都商工会議所名誉会頭 |
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副理事長 | 内田 俊一 | 公益財団法人国立京都国際会館館長 |
岡田 憲和 | 京都市副市長 | |
鈴木 一弥 | 京都府副知事 | |
千 宗室 | 茶道裏千家家元 | |
田中 誠二 | 京都商工会議所副会頭 |
»京都文化交流コンベンションビューロー2024年度役員名簿 (2024年7月更新) (97kb)
»「国と特に密接な関係がある」特例民法法人への該当性について(公表) (12kb)
事務局
〒600-8009 京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町78番地 京都経済センター3階
TEL: 075-353-3050(代表) FAX: 075-353-3055
沿革
1982年(昭和57年) | 「京都コンベンション推進協議会」発足 |
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1983年(昭和58年) | 「平安建都1200年記念事業推進協議会」発足 |
1985年(昭和60年) | 「財団法人平安建都千二百年記念協会」設立 |
1990年(平成2年) | 京都コンベンション推進協議会を「京都コンベンションビューロー」に改組 |
2006年(平成18年) | 財団法人平安建都千二百年記念協会と京都コンベンションビューローを統合し、「京都文化交流コンベンションビューロー」を設立 |
2007年(平成19年) | 「財団法人京都文化交流コンベンションビューロー」として設立 |
2011年(平成23年) | 「公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー」へ移行 |
事業計画
令和5年5月にコロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に引き下げられて以来、人の動きは急速に回復し、円安の影響も加わり、我が国の観光はインバウンドの急激な増加による活況を呈していたが、令和6年1月1日に発生した能登半島地震の影響は深刻であり、行政や全国からの支援による早期の復旧・復興が望まれる。
京都においては、文化庁の京都移転が令和5年3月に実現し、京都が文化首都として全国の文化振興に貢献することがこれまで以上に期待される中、10月には京都市立芸術大学が京都駅東部に移転、京都の玄関口においてまちづくりと創作活動の相乗効果が発揮されている。また2025大阪・関西万博に向けたオール京都での取組が活発化し、来年の開催とその先を見据えた様々な企画も具体化しており、今後、ワールドマスターズゲームズ2027関西に向けての機運も高まることが期待される。一方、一部観光地への観光客の集中や交通機関の混雑など、オーバーツーリズムが課題となり、飲食・宿泊・交通事業における担い手不足も一層深刻化している。
こうした情勢の下、当財団は、設立の趣旨を踏まえつつ、京都の現状及び社会の潮流に鑑み、京都の自然、景観、歴史的文化的資源を活かし文化・芸術の振興と国際会議等MICEの誘致や開催支援に努める。とりわけ文化庁との繋がりを強固にするとともに、MICE誘致においても国や関係団体との連携を深め、京都府・京都市をはじめとしたオール京都体制の下、文化振興と経済活性化の好循環を加速させ、国際的な文化交流拠点・京都の持続的発展に寄与していく。
このため、令和6年度においては、全国展開と次世代への継承を一層進める「1 古典の日推進事業の充実」、京都の強みを活かした「2 MICE誘致・国際観光を通じた京都経済への貢献」、文化首都・京都の持続的な発展に資する「3 文化・観光・経済の好循環促進」、オール京都の取組に一層の貢献を目指す「4 関係団体との連携推進・組織強化」の4点に重点的に取り組むこととする。
- 古典の日推進事業の充実
令和5年度の「古典の日宣言」15周年に続き、今年度は「古典の日推進委員会」が発足して15年となる。引き続き、古典の日の全国展開及び次世代への継承に向けた取組を強化する。
古典の日フォーラム等「源氏物語千年紀」を継承する各種事業を行うとともに、放映中のNHK大河ドラマ「光る君へ」の主人公が紫式部であることから、源氏物語をはじめ古典文学への関心を高める取組に力を入れ、全国への「古典の日」普及に努める。また、令和4年度に文化庁との共催及び国民文化祭開催県との連携が実現し、令和5年度も継続出来たことから、引き続き連携を図る。
また、古典の日朗読コンテストや街かど古典カフェなどにおいても、とりわけ若い世代への古典の継承、新たな発展を促す取組に力を入れ、文化庁の京都移転や大阪・関西万博を契機に様々な団体との連携の可能性を探り、クラウドファンディング事業も展開するなど一層広く社会への浸透を図っていく。
さらに「古典の日文化基金賞」は、令和4年度から若者を対象とした「古典の日文化基金未来賞」を創設し、古典を次世代につなぐ役割を強めてきたが、この方向性をさらに明確にするため、令和8年度の表彰に向け、規程整備等の準備を行う。
- MICE誘致・国際観光を通じた京都経済への貢献
昨年5月に観光庁が掲げた「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」において、令和12年までに日本の国際会議誘致件数をアジア1位、世界5位以内に押し上げることを目標とし、ビジネス目的の外国人旅行者やMICE参加の外国人数の増加も掲げるなど、ビジネスや教育・研究分野の拡大が図られている。「グローバルMICE都市京都」にも、我が国のMICE誘致を牽引する役割が求められている。
開催時期や行先を工夫することで分散化に寄与できるMICE誘致は、オーバーツーリズム対策としても有効であり、来場者は芸術文化への関心が高く、京都の価値を深くご理解頂ける方が多いことから、上質観光としての効果も期待できる。このためMICE誘致の決め手となる会議開催情報の収集やMICE開催の意義・効果等の調査を行い、環境への配慮や京都府警と連携した安心・安全対策など主催者の要望に応じた働きかけ、参加者の満足につながる開催支援などにオール京都の連携で的確に対応する。
具体的には、ICCA(国際会議協会)への積極的な参加や、大学、学術団体等への働きかけの強化により、開催情報の収集により一層努め、支援に関する提案力を高めるとともに、海外商談会への出展が可能となったことから、昨年に引き続き国立京都国際会館はじめ関係者との連携による誘致活動、プロモーション活動に注力する。また、京都府・京都市と連携した支援策の効果的活用、その基礎となる統計調査等を着実に実施する。
同時に国、京都府、京都市の計画や成長戦略におけるMICE誘致のあり方を見据えながら「環境に配慮した持続可能なMICE都市」の取組強化を引き続き行い、SDGsの達成に貢献し、MICE都市京都のブランド向上に努めるとともに、主催者、参加者双方の満足感を高める。
さらに、2025大阪・関西万博開催を見据え、海外からの企業ミーティング、インセンティブツアー誘致や受け入れ環境整備の拡充に取り組むと共に、スマートシティエキスポ、けいはんな万博への協力など関西文化学術研究都市への誘致促進にも取り組み、京都経済への貢献を図る。
- 文化・観光・経済の好循環促進
当財団ではこれまでから、文化と観光双方を推進する法人として、これらの融合を図るため、「四季彩京都」の発行や文化施設等を会場とする「ユニークベニュー」の活用を進めるとともに、迎賓館支援、国際会議やイベントにおける伝統芸能鑑賞、記念品への伝統工芸品の活用等を進めてきた。さらに質の高い通訳サービスによって、訪問者の伝統文化への理解を深めている。こうした取組は、インセンティブや企業ミーティングの際のオフサイト・レセプションとしても組み込まれ、参加者の満足や再来訪、MICE開催の成果に繋がると同時に伝統産業品の需要拡大、伝統文化の振興、文化財の保全に寄与する相乗効果を上げてきた。
文化首都・京都として全国の文化振興に貢献する機運が高まる中、MICE開催や国際観光を通じた地域経済の活性化に努め、その活力を京都の歴史、伝統文化、自然景観等に還元し、好循環を生む取組が一層重要なものとなっている。さらには、国際会議を契機とした公開講座や啓発活動など市民生活への還元、地球環境、SDGsへの貢献を果たし、持続可能なMICE都市を目指した取組を進める必要も一層高まっている。
このため、京都府内で開催されるMICE誘致や開催支援にあたっては、こうした観点をより一層重視しつつ各種支援策の運用に努める。併せて開催を機に主催者・参加者等に対し、京都の伝統芸能、文化財、環境や自然等を持続的に守り続けることの重要性を訴え「京都MICE基金」の積み上げと運用による還元に努める。
- 関係団体との連携推進・組織強化
「大阪・関西万博きょうと推進委員会」の共同代表として、2025大阪・関西万博を契機とした京都へのMICE誘致に努めると共に「文化庁連携プラットフォーム」に参加するなど、広く関係団体と協力して京都経済の活性化、地域振興に貢献していく。今後、ワールドマスターズゲームズ2027関西に向け、オール京都の取組が進められる際には積極的に協力していく。
文化と観光の融合を図るため、京都府観光連盟・京都市観光協会との連携を深め、四季彩京都の共同発行や文化財の活用、古典の日事業における協力など、観光を切り口に広く古典への関心を高めていく。古典の日推進委員会においては、この他にも大河ドラマを契機とした観光振興・地域振興を図る取組を積極的に連携する。
引き続きホームページやビューロー通信等により当財団の取組を発信するとともに、最新情報を提供して当財団の認知度を高める。併せて宣伝ツールやウェブサイトの充実を行い、誘致サポートプログラムや各種サービスの活用を促す。
賛助会員に対しては、引き続き「会員の集い」を開催し、会員相互の交流を深め、情報交流を促し、相互の事業発展に資するよう、より効果的な運営に努める他、京都市観光協会とともに発行するニュースレターにより文化交流発信及びMICE・インバウンド推進に関連する適時適切な情報の提供、斡旋、紹介に努め会員満足度の向上を図る。
以上4点の重点を掲げたが、MICE誘致による京都の活性化と、京都の伝統文化の持続的発展を目指すオール京都の公益財団法人としての使命を再確認し、文化庁京都移転や大阪・関西万博開催、SDGsの推進といった社会経済情勢を鑑みながら、関係団体との緊密な連携の下、以下のように各分野の事業に取り組む。
文化交流発信事業(文化:公益目的事業)
1 古典の日推進事業
(1)「古典の日」普及啓発事業
- 古典の日推進委員会発足15周年記念フォーラム
- 第16回古典の日朗読コンテスト
- 第4回「古典の日文化基金賞」授賞式
- 街かど古典カフェ
(2)情報発信・広報活動・関係団体との連携等
- 文化庁等との連携の推進
- 古典の日絵巻第十四巻
- ポッドキャスト
2 京都迎賓館支援事業
(1)外国賓客のもてなし
(2)参観支援・啓発関連
- 文化発信事業
- 一般公開の支援
3 文化振興に資する発信事業
国際観光コンベンション事業(国際:公益目的事業)
1 コンベンション(MICE)事業
(1)MICE関連情報の調査・収集・啓発
- 業界情報収集強化
- 大学・学術団体・学会へのコンベンション情報収集・啓発活動の強化
- 統計調査・発行
- MICE振興に関わる課題解決策の推進
- 「京都スマートシティエキスポ」への事業協力等を含めた関西文化学術研究都市推進への参画
(2)プロモーション事業
- 内外ネットワーク(情報収集力)の強化
- 政府関連特定会議等の積極的な誘致
- 海外プロモーション活動
- 国内プロモーション活動
- MICE主催者等の京都視察受入れ
- 「大規模国際コンベンション誘致支援助成金」の活用(京都市)
(3)開催支援事業
- 政府関連特定会議等の京都開催の運営協力
- MICE開催支援に係る京都市の助成制度活用
- 京都市「京都らしいMICE開催支援補助制度」の活用
- サステナブルなMICEの促進
- テクニカルビジットの受け入れ環境整備
- 京都府「京都府MICE開催支援助成制度」活用
- 「京都MICE基金」の運用
- オフサイト・レセプション等の企画・提案
- 各種開催支援サービス制度の運用及び拡充